ICC
場所

児玉哲彦
気になる展示作品: 《ambient.lounge》
「場所」というものはかつてはフィジカルに「いま」「このあたり」という点の指定と対応付いていた。 それは人類学者のホールがいうように、人間の感覚器の到達範囲で規定されていた。ところが、ITによって離れた時間と場所との間がつながるようになると、 僕達の感覚は変容する。電車の中のケータイが、ウォークマンの音漏れが、なぜ規範を逸脱していると感じさせるかの答えがそこにある。 それはマクルーハンが能天気に予想したように一つの村に縮小する地球じゃなく、あそこはこことつながっている、ここはあそことつながっていない、という ワームホールによってねじくれたフラグメントな世界を僕達にもたらす。 今や建築や都市計画の主要な課題は、ボリュームやカタチの比例関係じゃなく、このゴルディオスの結び目をどう解きほぐすかなんだよ。
投稿日時:Wed,18 Oct 2006 12:20:22