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『ウゴウゴルーガ』 |
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岩井:『アインシュタイン』が終わってからアメリカに1年ぐらい行ってたんですけど,帰ってきたら,また同じディレクターから,今度は子供番組をやりたいんだけど,という話がきた.じゃやりましょうかっていうことでやったのが,例の『ウゴウゴルーガ』なんですけど,そのときはもう,『アインシュタイン』よりもさらにCGの比率を高くした.『アインシュタイン』のときは実写の映像に薄くCGセットを乗せるっていう感じだったんだけど.
森脇:品があったよね.
岩井:うん.あれはあれでね,ある美学があったんだけど,『ウゴウゴルーガ』の場合はもう完全にCGで子供部屋をつくって,そこに実写の子供をクロマキーで合成した.で,さらにコンピュータでキャラクターをつくって会話させることになった.
森脇:ヴィヴィッドな色でばーっと描いてあるじゃないですか.あれはあれで一種のヴィジュアル・ショック.
岩井:あれでようやく一般の人にもAMIGAのCGが認知されたっていう感じはありますね.
森脇:以前,筑波の後輩とかにいま何やってるのって聞いたら,もうみんな『ウゴウゴルーガ』してますよ,とか言う.「目指せ岩井!」って標語書いてやってたらしいですよ(笑).
岩井:あれはあれで僕のやりたいことのひとつで,自分の作品世界でもあったんだけど,やっぱりマスメディアってすごい.誰に会っても「ああ,『ウゴウゴルーガ』の岩井さんですか」って,そういう言い方をされるのが,ちょっと,嬉しいんだか何なんだかっていう感じはしましたね.
森脇:名前は通るけど,それだけじゃないんだよっていう.
岩井:まぁそうね.「紅白歌合戦で,小林幸子の衣装をやった森脇」って言えばみんなわかっちゃうのと同じで(笑).
森脇:国民的にわかっちゃう(笑).でも僕のはうまくいかなかったので不本意だけど.
岩井:『ウゴウゴルーガ』は自分でもけっこうよくやったなと思っています.僕なりのパソコンというかAMIGAの使い方がだんだんとこなれてきて,AMIGAで背景も全部つくれば,レーザーディスクもコントロールしてるし,キャラクターもリアルタイムで動かしてる.
森脇:有名なスーパーファミコンのパッドですね.
岩井:そうそう(笑).スーパーファミコンのコントローラーを改造してMSXにつないで,MSXからMIDI信号を出力するソフトとハードをつくった.そのMIDI信号が今度はAMIGAのアプリケーションを介してCGキャラクターの口を動かしたり,別なアクションをさせたりするようにした.それもMIDI信号を分配して同時に2台のAMIGAでキャラクターを動かし,別なカメラアングルに対応させたりとか,そういうことをしてました.
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