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『アインシュタイン』のCG |
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森脇:AMIGAを使うっていうのは,経済効率を考えると,当然,納得できるんですけど,僕は岩井さんらしいなと思ったんですよ.
岩井:経済効率って僕らあんまり考えてなかったですね.たしかに,ヴァーチュアル・セットをつくることで,本物のセットをつくらなくてもいいとか,毎週簡単に模様変えができるとか,そういう部分はある.だけど,それよりも先に,ライヴの人間と映像を組み合わせることでおもしろい表現ができるだろうかっていうところや,動くセットをつくることに関心があった.
森脇:テレビの要求というよりも,これはこれで岩井さんの表現世界のひとつだっていう感じを受けた.
岩井:いまはもう,ほんとうにそういう感じがしてます.それまでは仕事と作品ってかなり自分のなかで分けてたところがあるんだけど,『アインシュタイン』のころから,テレビに対しては素人だけども,僕自身僕の発想によってテレビの世界に入っていくことによって,ちょっとでも番組やテレビ業界が変わるかもしれないっていう期待感はありましたね.実際それまで,毎週のようにコンピュータを使った番組というのはなかったんです.そのころCGって高いものだったらから,コマーシャルとか番組タイトルに使われるぐらいでしたね.
森脇:小回りよく切り換えられてインタラクティブに応えてくれるというのは,当時はもうAMIGAの独壇場だった.
岩井:とくに,その絵柄とか色のポップさとかが新しいスタイルになり得た.そのころ,AMIGA用にSuperGENっていう一種のヴィデオ合成装置みたいなのがあったんですよ.出力信号のクォリティが一応放送局でも使えるもので,それを使っていた.そのスーパージェンにフェーダがついてて,ヴィデオ映像の上にAMIGAの画面を半透明で合成し,アナログ的にフェイドイン,フェイドアウトができた.CGのセットが半透明のものとして存在しているのを見て,すごくきれいだなと我ながら思いました.いま,どこを見てもそういう感じの映像ってないんですよ.あれはほんとうにAMIGAならではだったなという感じがしてます.
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