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1996年2月 [終了しました.]
NTT/ICC推進室
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パソコンの将来 |

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森脇:いま,秋葉原のショップでも,パーツをたくさん並べて売ってて,一応モデルキットもあって,ちょっとわかってる人はこれとこれを取り替えてもっとパワーアップするといった感じで作りやすくはなってる.ただ,コネクタが合うところだけさしていったら,なにもかもわからないけど出来ちゃった,みたいな感じにしかならない.
西田:誰かチューターがいて,これが何でどういうものですよって,ふつうの日本語で話す人が必要ですね.コンピュータの言葉だけでしゃべられると聞いてるだけで不愉快ですからね.
森脇:ふつうの言葉でしゃべるのは,すごく大切なことですね.
西田:AT互換機はけっこう作るのが難しかったんですけど,今度ウインドウズ95ならば…….DOS/Vがだいたいよくないんで,DOS/Vで動かないものがいっぱいあるんですけど,ウインドウズ95はだいたい動きますから.3.1で動かなかった機械もみんなウインドウズ95で動きます.逆もけっこうあると思いますけど.
森脇:ただ,そこでいわゆるふつうのパソコンというより,なんかクセのあるパソコンを作りたいという欲がちょっとありましてね.そのクセってのが何かってのはまだ見えてないんですけど,ネットのなかで企画を募集しようかっていう話になってるんです.
西田:面白いですね.
森脇:なんかの目的に特化したパソコンを作りたいとかね.例えば通信だけだったら通信に特化して,ハードウェアの設計からソフトウェアまで全部特化させちゃう.要らない機能を全部削り取る.
西田:ただ問題は,そのほうが高いですよ.
森脇:コストっていうことを考えると,それこそ安売りのちょっと型遅れのやつを買ってきてバラすくらいがいいかもしれない.
西田:メインボードが一番安くて3000円ぐらいかな.それを買ってきてモデムくっつけて,通信に特化した機能をつければ面白いかな.でも,こんな機械は,あちこちのメーカーも用意しているんですよ.
インテルやマイクロソフトを中心として,ハードやソフトのメーカーの申し合わせみたいなみのがあるんです.これは,いわゆるマルチメディアに関係する機能を全て持っているマシン,それも動画を外へ送れる程度のやつを,2000ドル以下にしたいという構想です.
ところが,機能が増えるとメンテナンスにかかる費用が馬鹿にならない.ほら,いろいろなボードを差すとすぐ動かなくなるでしょう.そこで出てきたのがP&Pという考え方なんです.
インテルなんかは,今までボードを差して初めて使えた機能を片端からCPUらやらせちゃう,というアーキテクチャを次々に発表しています.そう言えば,コンピュータ通信の信号の中に音声も一緒に乗せちゃおうという話をご存知ですか.
いままで電話機にコンピュータをつないでましたよね.今度は電話線にコンピュータをつないで,コンピュータに電話機をつなぐ.何がいいかというと,電話かけながらもコンピュータが動いてるんです.
森脇:共存できちゃう? 同じ回線で.
西田:そうです.1本の回線で1つの信号で来ちゃう.
さらに,ボードをさすんじゃたまらないから,CPUにやらせる.だんだんボードが要らなくなってくるわけです.来年の早い時期に,そのマシンが出てくると思います.ローレベル・マシンとミドルレベル・マシンの価格は安くなると思います.インテルって,半導体の研究以上に,コンピュータのそういうアーキテクチャの研究をやっていまして,次々にそれを発表してますね.例えば画像系はもうやめよう,CPUにやらせちゃおうと.いい作戦でコンピュータはどんどん安くなりますが,ますます高くていいCPUを使わなければならなくなる.
森脇:そうですね,負担は大きくなるわけだから.
西田:マーケティングとしては素晴らしい構想なんですが(笑).昔のパソコンは,いろんなものを自分でくっつけたものなんですよ.音にしても,音声カードのアナログアンプの部分をよいものにすれば,いくらでもよい音が出ます.これを手持ちのアンプにつなげればよい.音楽好きにはたまらないですよ.デジタルはCD-ROMと同じ方式ですからすばらしい.アナログへ戻してから後の回路があまりにも貧弱だから,雑音の山のなかにいるわけです.もっとすごいのをくっつければずっとよくなる.
森脇:奥が深いですね.
西田:パソコンを使って,いろいろな設備の制御をするなんて,比較的簡単ですし,今はどうしてやらないのかな.8ビットの時代は,いろんなものをパソコンの外にくっつけていた人が多かったんですがね.今は,パソコンの凄さに引っ張り回されているのかもしれませんね.
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