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ピーピング・ジャップ |

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西田:ご存知かもしれませんが,日本というのはパソコンがものすごく遅れている.アジアでも,おそらく一番遅れてる国ではないかと言われるぐらい遅れているわけです.国外ではコンピュータは,買ったらすぐ使う単なる道具です.道具をどう使うかということが問題の世界.それなのに,日本では,コンピュータをいじくり回すのが好きだという.私はピーピング・ジャップと言ってるんですが,すぐ中を覗きたがる,触りたがるのはエッチ‥‥(笑).
森脇:なるほどね.ちょっと,僕,そのケがあるかもしれません(笑).
西田:私はいまこんなことを言ってますが,昔はまさに「おたく」そのもので,初期にはコンピュータを作ったこともあるし,いろいろやってますけども,いまはまず触らない.
ウインドウズ3.1とMS-DOSの時代には,「遅い」んじゃなくて「遅くして」使ってらっしゃる方もいる.MS-DOSがヴァージョン5になって,自動的に初期設定をするようになりましたが,初期設定だとだいたい75%ぐらいは動くんです.そこへ物知り顔が来て触りますと,それが50%ぐらいに下がるとかいうことがいっぱいある.もちろんちゃんとした人がやれば100%に上がるんですが,だいたい,どなたかお触りになって,速くなってる機械よりは遅くなってる機械が多い(笑).
森脇:うっかり触らないほうがいい(笑).
西田:仕事で使う道具を趣味にしている方がいて,もちろんこれは構わない.もしかしたらすごく知的な趣味かもしれないし,面白いと思います.ただ,仕事に使っている道具と趣味で使う物が混在し,区別がつかなくなっている状況が,日本のパソコン界をすごく悪くした時期がある.まぁ,いまでもだいぶあると思います.
自分の使ってるパソコンを誰かに触られちゃうと動かなくなったり困ったりという経験ありませんか(笑).1割速くなったところで関係ないわけですが,人の機械をもっと速くしてやろうとかいっていじると,使えなくなるとかいうようなことが起こる.そういうこともいま,考えなければいけない.
その一方で,たしかに,おっしゃったように熱気がない……
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