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「見えるパソコン」 |

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西田:ウインドウズ95でも,実はちゃんとインストールしますと,システムモニタってのがついています.どれぐらいコンピュータが働いたかが目に見えるんですよ.ああいうのを動かしていると,どういうときにCPUさんがお忙しくて,いつごろヒマかなんてのが目に見える.これはプロが使うものなんですけど,単純にあんなことだって面白いかもしれない.確かに視覚的に見えないと,なんか裏でコソコソやられてて(笑),もう不愉快というか,人間から離れすぎていますからね.見た目には格好良く立体になってるとか,ヴァーチュアル・リアリティとか言っても,なんかやっぱり仮想の世界ですよね.社会自身が仮想の世界になっている.
森脇:そうなんですよね.だからこそ,いまここで,手作りでパソコン作ってみたいなと思うんです.
西田:面白いですよね.例えばさっき申し上げたような,「見えるパソコン」ってできると思うんですよね.
森脇:JUGのメンバーの内田さんに,Z8っていう8ビットのワンチップ・マイコンでつくっていただいたんです.ちょっとインテリジェントなロジック回路を1つのチップでやらせてしまおうっていう感じで,作品をつくったことがあります.その動き方がオシロスコープで見えるわけですよ.もうダンプリストがバーッと出てきますよね.内田さんがここをいじるとこれが変わるとか,ダンプリストの数字をFFにしてみたらこうなるとか言って,エミュレーションするわけですよ.すると,すごくよくわかるわけです.最終的には僕の作品ですから,もうちょっと明るくなってほしいなと,FFって書き換えてみたりしていると,すごくよくわかるんですね.
西田:そういうことをちゃんとやったら面白いでしょうね.
森脇:だから,アプリケーションでグラフィックを描くより,ダンプリストを見て,00からFFまでの値を変えて,オシロスコープでぱっと出てくる……そのほうがすごく実感があるんですよね.このほうが,自分にとってリアルだなって思ってるんですよ.
西田:面白いでしょうね.確かに面白い.私も4ビットのコンピュータ,つくったことがありました.
森脇:それ,まだあります? ちょっと見てみたいなぁ.
西田:ただ,動かせるかな……コンピュータには命令というのがありますんで,動かすときに命令を与えなきゃならないんですよね.
森脇:あ,そうですね.外部記憶装置なかったですからね.
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