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パソコンのなかは「がらんどう」 |

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森脇:秋葉原パソコンおたくってのは,もう秋葉原で会ったら「よう」っていうぐらいの…….
西田:いや,いまはもうないですね.文化的に変わってきてしまいましたね.オーディオもそうだと思います.オーディオの世界ですごいのを作っても,特別な音楽家のために作るんでなかったら,絶対に買ったほうが安い.いまのパソコンは,買ってきてバラバラにしまして,部品を売ると儲かっちゃうくらい安いんですよね.
森脇:新手の商売ですね(笑).
西田:だから,作る楽しみがないんだと思います.
それから,昔のパソコンって,なかは隅々までわかっていましたから.いまのパソコンをわかる人なんか絶対いないと思います.
例えばコンパックのパソコンを買ってきてパカッと蓋開けると,がらんどうなんです.なぜかっていうと,全部1枚のボードの上に載っちゃってるんですね.ふつうはマニアやそういうのを知ってる人だったら,ヴィデオカードを何にしようとか,インターフェイス何にしようかとか,ショップのお薦めとかってのがいろいろあって,これで作ったりするんですけれど.もう,メーカー品をパカッと開けると,なんにも入ってないですよ.1枚板が入ってるだけ.
もうひとつ,ソフトを書く,プログラムを書くという楽しみもあったわけですが,ウインドウズになりましてから,プログラムを書くということも至難の技になりました.
C++というのが,唯一ウインドウズで自作ソフトを作れる言語かもしれませんけど,これの売上の40%は日本なんです.日本は,ウインドウズの世界シェアは10%以下なんですが,開発言語の世界シェアは40%ある.ウインドウズの世界シェアが低いのに,どうして開発ソフトだけが多いのか.日本にそんなにプログラマがいて,どうしてすごいソフトができないのか(笑).
アメリカではもう,Cなんかやる人は滅多にいないわけですね,特殊な人以外は.ところが,日本は,いじり回すのが好きなわりには実質があがらない.アマチュアにも,プログラムはCで書けなきゃという強迫観念みたいなのがある.Visual
Basic 4.0という凄いものが出ましたから,これからは趣味のプログラミングが増えるかもしれません.
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