ICC





はじめに
入場料
岩井俊雄氏インタビュー
西田雅昭氏インタビュー




1. かつての秋葉原,かつてのパソコン
2. ピーピング・ジャップ
3. JUGという組織
4. パソコミに踊らされるパソコン
5. パソコンのなかは「がらんどう」
6. 光るパソコン
7. 「見えるパソコン」
8. 8ビットマシンと32ビットマシンのちがい
9. マイクロソフトの野望
10. 衝撃のない90年代
11. ダウンサイジングということ
12. パソコンの将来
参加作家
イヴェント




ニュースクール'95パソコン倶楽部
公開講座
2月2日(金)
2月4日(日)
 
1996年2月 [終了しました.] NTT/ICC推進室





パソコンのなかは「がらんどう」


森脇:秋葉原パソコンおたくってのは,もう秋葉原で会ったら「よう」っていうぐらいの…….

西田:いや,いまはもうないですね.文化的に変わってきてしまいましたね.オーディオもそうだと思います.オーディオの世界ですごいのを作っても,特別な音楽家のために作るんでなかったら,絶対に買ったほうが安い.いまのパソコンは,買ってきてバラバラにしまして,部品を売ると儲かっちゃうくらい安いんですよね.

森脇:新手の商売ですね(笑).

西田:だから,作る楽しみがないんだと思います.
 それから,昔のパソコンって,なかは隅々までわかっていましたから.いまのパソコンをわかる人なんか絶対いないと思います.
 例えばコンパックのパソコンを買ってきてパカッと蓋開けると,がらんどうなんです.なぜかっていうと,全部1枚のボードの上に載っちゃってるんですね.ふつうはマニアやそういうのを知ってる人だったら,ヴィデオカードを何にしようとか,インターフェイス何にしようかとか,ショップのお薦めとかってのがいろいろあって,これで作ったりするんですけれど.もう,メーカー品をパカッと開けると,なんにも入ってないですよ.1枚板が入ってるだけ.
 もうひとつ,ソフトを書く,プログラムを書くという楽しみもあったわけですが,ウインドウズになりましてから,プログラムを書くということも至難の技になりました.
 C++というのが,唯一ウインドウズで自作ソフトを作れる言語かもしれませんけど,これの売上の40%は日本なんです.日本は,ウインドウズの世界シェアは10%以下なんですが,開発言語の世界シェアは40%ある.ウインドウズの世界シェアが低いのに,どうして開発ソフトだけが多いのか.日本にそんなにプログラマがいて,どうしてすごいソフトができないのか(笑).
 アメリカではもう,Cなんかやる人は滅多にいないわけですね,特殊な人以外は.ところが,日本は,いじり回すのが好きなわりには実質があがらない.アマチュアにも,プログラムはCで書けなきゃという強迫観念みたいなのがある.Visual Basic 4.0という凄いものが出ましたから,これからは趣味のプログラミングが増えるかもしれません.