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知覚の大霊廟をめざして——三上晴子のインタラクティヴ・インスタレーション

2025年12月13日(土)—2026年3月8日(日)

概要

本展覧会では,一部作品の体験や,ご来場の予約を受け付けます.

事前予約方法


ICCでは開館前のプレ活動期間より,さまざまな形で作品を発表してきた三上晴子の没後10年となる2025年に,1990年代後半以降のインタラクティヴ・インスタレーションを複数展示し,三上の活動をメディア・アート的側面から振り返ります.三上の大型インスタレーション作品3点を同時に展示する機会は国内外でも初めてのこととなります.

アーティストの三上晴子が1990年代以降に国内外で発表したインタラクティヴ・インスタレーションは,人間が世界と接続し関係を結ぶ端緒となる知覚行為そのものをテーマとしています.「眼は単に視るものではなく,耳は単に聴くものではない.すなわち,耳で視て,鼻で聴いて,眼で触ることが可能である」*1と本人が書いているように,三上はメディア・テクノロジーを駆使し,鑑賞者が自分自身の知覚とインタラクションのメカニズムに向き合わされる体験を複数の作品によって提示しました.そして,それらを総合した「知覚の美術館(あるいは大霊廟)」*2の構築を目指しました.

三上は生前,1980年代から90年代までの作品の多くを廃棄していますが,2015年の急逝を機に,近年は,1990年代前半の4作品が東京都現代美術館に収蔵されるなど,現代美術の分野においても三上の再評価の機運が高まっています.一方で,規模が大きく作品設置に複雑な工程を要することから,インタラクティヴ作品の再展示の機会は限られています.

また三上は,展示の機会があるたびに最新の技術を取り入れて作品をアップデートすることに極めて積極的でした.その経緯を踏まえ,委嘱元である山口情報芸術センター [YCAM] (以下,YCAM)や当時の作品制作関係者によって,作家の死去後も修復や一部再制作が行なわれています.また,YCAMと多摩美術大学の共同研究により,作品だけでなく鑑賞者の作品体験データやその他の資料の保存に関して,メディア・アートに特化した新しい方法論が検証・探究されるなど,三上の作品をめぐって,さまざまな試みが続けられています.

ICCにとって三上は,開館前のプレ活動期よりさまざまな活動を通じて関係を深めてきたアーティストのひとりです.本展では,三上が1990年代後半以降に発表したインタラクティヴ・インスタレーションを複数展示します.作品展示のほか,作品がアップデートを重ねてきた変遷や,現在進行中の修復やアーカイヴの取り組み,また作品のアーカイヴ・データの活用事例なども併せて紹介します.会期中には,三上と親交のあったアーティストや研究者を招いたトーク・イヴェントなどを開催予定です.

*1,*2 ともに出典:『SEIKO MIKAMI:三上晴子 記録と記憶』(馬定延/渡邉朋也 編著,NTT出版,2019年)


会期:2025年12月13日(土)—2026年3月8日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]  ギャラリーA,B
開館時間:午前11時—午後6時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌日),年末年始(12/29[]—1/5[]),ビル保守点検日(2/8[日])
入場料:一般 1,000円(900円),大学生 800円(700円)
ご入場は事前予約をされた方を優先させていただきます.

来場予約受付は,ご来場希望日の7日前午前11時より,当日午後5時30分までです.
事前予約へ
外部のウェブサイトに移動します.

* 休館日以外においても,開館時間の変更および臨時休館の可能性がございます.
*( )内は15名様以上の団体料金.
* 会期中1回に限り再入場していただけます.2回目のご入場時には初回ご来場時のチケットをICC受付にてご呈示ください.
* 障害者手帳をお持ちの方および付添1名,65歳以上の方と高校生以下の方,ぐるっとパスをお持ちの方は無料.

主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] (NTT東日本株式会社)
協力:多摩美術大学アートアーカイヴセンター

展示作品

同時開催の展示

コレクション作品(有料エリア内)

グレゴリー・バーサミアン《ジャグラー》は,調整のため,運転を休止しています.静止状態の作品はご鑑賞いただけます.


 

無料展示エリア

関連イヴェント

展覧会開催期間中に,関連イヴェントの開催を予定しています.
各イヴェントの詳細は,後日ICCのウェブサイトにてお知らせします.

アーティスト

三上晴子

三上晴子(2011年12月撮影)/ 撮影:篠田英美

アーティスト.1984年から情報社会と身体をテーマとした大規模なインスタレーション作品を発表.1992年から2000年までニューヨークを拠点に主にヨーロッパとアメリカで数多くの作品を発表する.1995年からは知覚によるインターフェイスを中心としたインタラクティヴ作品を発表.視線入力による作品,聴覚と身体内音による作品,触覚による三次元認識の作品,重力を第6の知覚ととらえた作品などがある.ミロ美術館,ウィーン・クンストラハウス,ナント美術館,メディア・アート・チャイナ,トランスメディアーレ,オランダ・DEAF,アルス・エレクトロニカ,YCAM,ICCなど国内外の美術館,メディア・アート・フェスティヴァルに出品参加.2000年からは多摩美術大学にて教鞭をとる.2015年病気のため死去.

関連情報

割引情報

東京オペラシティ アートギャラリーとの相互割引
ICC 受付で,同時期に開催中の東京オペラシティ アートギャラリー企画展の入場券をご呈示いただくと,本展に団体料金でご入場いただけます.また東京オペラシティ アートギャラリー企画展にご入場の際に,本展入場券をご呈示いただいた場合も,団体料金でご入場いただけます(他の割引との併用不可,ご本人様のみ1回限り有効).

「ぐるっとパス」
https://www.rekibun.or.jp/grutto/

「ミューぽん」による割引クーポン
https://www.tokyoartbeat.com/aboutApp

「チラシミュージアム」
https://eplus.jp/sf/guide/museum

アプリ版「ぴあ」による割引クーポン
https://lp.p.pia.jp/about/

ICC 割引クーポン
こちらのクーポンをプリントアウトしてご持参いただくか,携帯端末にてご提示いただければ,展覧会に割引料金でご入場いただけます.
詳細→|(PDF)

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