展示空間内には,重力とそれに対する抵抗力のような,相互に引き合う仮想の力の場が構築されています.体験者がパネルを敷き詰めた床の上に足を踏み入れると,その身体の重さ,傾き,動きの速度に床下のセンサーが反応して,力の場の変化が線の歪みや音として表現されます.体験者,そしてその場を共有している他の体験者が及ぼす力に加え,GPSによる会場の位置データや空間で変容していくアルゴリズムの力が相互に関係し合い,作品に影響していきます.
体験者はこの作品の一部となり,ふだん気づかない重力というものにあらためて直面するだけでなく,この世界をはじめ自らの身体や知覚,世界観までもが,いかに重力という存在を前提に成立しているかを再認識することになります.
本作は2004年に発表後2010年にアップデートされ,床の周囲のLEDがスクリーンへの映像投影に変更になりました.本展では,2008年のICCでの「オープン・スペース 2008」展以降初めて,オリジナル版で展示します.
*山口情報芸術センター [YCAM] 委嘱作品
コンセプト/ディレクション:三上晴子,市川創太
テクニカル・リアライゼーション/設計/プログラミング:三上晴子,市川創太
回路設計・基板製作:竹ヶ原設計
金属加工:砂塚商店
プロダクトデザインテクニカル・コーディネーション:山元史朗*,大脇理智*,宮石一彦*
サウンド・プログラミング:伊藤隆之*
ヴィデオ・エンジニアリング:大脇理智*,三原聡一郎*
サウンド・エンジニアリング:西村悦子*,濱哲史*
ネットワーク・エンジニアリング:三浦陽平*
テクニカル・サポート:金子美和*
ドキュメンテーション:萩原健一,小原大貴,渡邉朋也*
コンサヴェーション/レジストレーション:渡邉朋也*
プロジェクト・キュレーション:阿部一直*
コーディネーション補助:渡部里奈*,土居美智子*
協力:久保田晃弘,高野諭
* 初公開時あるいは再制作時のYCAMスタッフ
助成:令和2年度文化庁メディア芸術アーカイブ推進支援事業