三上晴子の作品では,鑑賞者が体験しインタラクションが発生した時に取得されるデータが保管されることがよくあります.《モレキュラー インフォマティクス—視線のモルフォロジー》(1996)から《Eye-Tracking Informatics》(2011/19)に至る,視覚をテーマにした一連の作品でも,体験者の視線の推移などのデータが残されています.
久保田晃弘,平川紀道,堂園翔矢は,《Eye-Tracking Informatics》の鑑賞体験データを用いて,スクリーン上の視線の動きや,視線によって生成される仮想構造体の形状を解析することで,個々のインタラクションの特徴や全体の傾向を分析しています.また,構造エミュレータの《Proto-ETI》を開発し,パラメトリックなインタラクション実験も行なっています.このプロジェクトでは,インタラクティヴ・アート作品の鑑賞者の体験そのものを分析対象として,そこに通底する美学を理論と実践の双方から探究することを目的としています.
本イヴェントでは,「知覚の大霊廟をめざして——三上晴子のインタラクティヴ・インスタレーション」展でも紹介している彼らの取り組みについて,研究代表者の久保田晃弘によるレクチャーを開催します.
講師:久保田晃弘(多摩美術大学教授)
司会:指吸保子(ICC)