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三上晴子とインタラクティヴィティ:ポストヒューマン的視点から

2026年3月7日(土)午後6時より

概要

三上晴子は,性別や年齢,国籍などの作者の属性や特性に縛られない作品や表現を指向していました.「インターフェイスは,我々の内側に存在している」ということを軸にしていたこと,形態としての作品そのものよりも,身体と空間の間に存在するインターメディウムな情報交換自体のプロセスを表現しようとしたこともその反映であり,インタラクティヴであること自体が作品の本質に関わっているという点が,三上のインタラクティヴ・アート作品を大きく特徴づけているともいえます.
「インターフェイス」「皮膜/被膜」といった言葉で表現される,異なる領域のあいだにある境界とそこで行なわれるインタラクション,しかしその境界が揺らぎうるものだということに目を向けさせる作品群からは,様々なものの間に存在する差異を感じ取ったうえで,そこから自由になろうとする三上の意思を見出すこともできるでしょう.『SEIKO MIKAMI——三上晴子 記録と記憶』(馬定延,渡邉朋也 編,NTT出版,2019)で複数の寄稿者が三上をフェミニストであったと書いているのも,ジェンダーだけでなく,テクノロジーや非人間といったものを含む,あらゆる不均衡や非対称を超越したフラットな関係性を求めた三上の姿勢を読み取ったうえでの表現でもあるように思えます.
本シンポジウムでは,上記のようなポストヒューマン的視点から,三上作品におけるインタラクティヴィティについてあらためて考えます.

出演:
四方幸子(キュレーター/批評家,十和田市現代美術館館長)
清水知子(東京藝術大学教授)
福原志保(アーティスト/デザイナー/研究者,ポイエーシスラボ主宰)

司会:指吸保子(ICC)


日時:2026年3月7日(土)午後6時より
会場:ICC ギャラリーD
定員:100名(当日先着順)
入場無料(展示をご覧になるには入場料が必要です)

主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

インターネット中継

イヴェントの模様は,インターネット中継されました.

出演

四方幸子

キュレーター/批評家.十和田市現代美術館館長,「対話と創造の森」アーティスティックディレクター.多摩美術大学・東京造形大学客員教授,武蔵野美術大学・情報科学芸術大学院大学 [IAMAS]・京都芸術大学非常勤講師.「情報フロー」というアプローチから諸領域を横断する活動を展開.1990年代よりキヤノン・アートラボ(1990–2001),森美術館(2002–2004),NTTインターコミュニケーション・センター [ICC](2004–2010)と並行し,インディペンデントで先進的な展覧会やプロジェクトを多く実現.2010年代の活動に札幌国際芸術祭2014,茨城県北芸術祭2016など.2020年以降に,美術評論家連盟2020シンポジウム(実行委員長),MMFS2020,「ForkingPiraGene」(C-Lab台北),2021年にフォーラム「想像力という〈資本〉—来るべき社会とアートの役割—」,フォーラム「精神としてのエネルギー|石・水・森・人」,近年に「EIR(エナジー・イン・ルーラル)」(2021–2023),大小島真木・辻陽介『千鹿頭 CHIKATO』(2023),「混沌に愛/遭い!ーヨーロッパと日本をつなぐ サウンド,メディアアートとケアの探求」(2024),「混沌に愛/遭い!2025@Cyprus – Cypriot-Japanese Arest (rest-unrest-forest mix) 」(キプロス),第11回「哲学の夕べ」Agir pour le vivant 生きものとともに(東京日仏学院,2025),「MIKAMI MEME 2026|三上晴子と創造のミーム」展(√k Contemporary,2025),「国松希根太 連鎖する息吹」展(十和田市現代美術館,2025–2026)など.国内外の審査員を歴任.美術評論家連盟会長(2022–2025).著書に『エコゾフィック・アート 自然・精神・社会をつなぐアート論』(2023).共著多数.


清水知子

愛知県生まれ.現在,東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授.専門は文化理論,メディア文化論.著書に『文化と暴力——揺曳するユニオンジャック』(月曜社),『ディズニーと動物——王国の魔法をとく』(筑摩選書),『21世紀の哲学をひらく——現代思想の最前線への招待』(共著,ミネルヴァ書房),『芸術と労働』(共著,水声社),『コミュニケーション資本主義と〈コモン〉の探求——ポスト・ヒューマン時代のメディア論』(共著,東京大学出版会)など.訳書にジュディス・バトラー『非暴力の力』『アセンブリー行為遂行性・複数性・政治』(共訳,青土社),アントニオ・ネグリ+マイケル・ハート『叛逆 マルチチュードの民主主義宣言』(共訳,NHKブックス),デイヴィッド・ライアン『9・11以後の監視』(明石書店)など.


福原志保

アーティスト/デザイナー/研究者.ポイエーシスラボ主宰.

情報の布置と物質の質量が重なり合う地点に立ち,形のないデータを手触りのある「生の質感」へと翻訳する.新たな「生」を成り立たせるプロセスや,先端技術が社会の倫理や常識と交差する際に生じる「不協和」を抽出し,それらを可能に近づけるプロジェクトや具現化したインスタレーション作品などを通じて,現代における情報と生命の定義を問い続けている.

京都を拠点とするポイエーシスラボでは,協働を通じて研究の種の着想やプロトタイピングを行ない,技術と人間の間に新たな佇まいをもたらすための「土起こし」を実践.また,先端技術領域におけるプロダクト設計にも携わり,対話のなかで衆知を尽くし,泥臭く研ぎ澄まされる問いを社会の実装へと接続させている.

ICC,金沢21世紀美術館,アルス・エレクトロニカ,パレ・ド・トーキョーなど国内外での発表多数.カンヌライオンズ プロダクト・デザイン部門グランプリ,D&AD イエローペンシル,STARTS Prize,アルス・エレクトロニカ Honorary Mentionなどを受賞.

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