展示空間の中に進み,手のひらを天井に向けるような動作をすると,差し出した手のひらに映像が表示されます.それぞれの手には別々の映像が表示されていて,二つの手をくっつけることで,二つの映像が組み合わさって新しい別の映像が再生されます.さらにこの新しい映像を片手において,逆の手に次の映像を捕まえ,それらを組み合わせると,次々に手のひらの映像の世界が展開してゆきます.
この研究は,人間がコンピューターや映像装置を操作する際の,新しい対話技法を提案しています.ボタンやスイッチ,マウス,キーボードといった機械的なインターフェイスから,手のひらという日常的な身体そのものによる所作へと発展させるための手法を,具体的なシステムを開発することで分かりやすく伝えています.
石井陽子
1979年生まれ.ヒューマン・インタフェースに関する研究,およびインタラクティヴ・アート作品の制作を行なう.
中茂睦裕
1976年生まれ.ヒューマン・インタフェースに関する研究に従事.工学博士.
小林稔
1964年生まれ.コラボレーション・メディア,コンピュータ・ヒューマン・インタラクションに関する研究に従事.工学博士.