これらの作品は,花や昆虫をモチーフとした動く彫刻です.複雑な機械のゆっくりとした滑らかな動きは,一見すると有機化合物で構成された生物であるかのような印象を与えます.
アーティストは,これらに自らの名前を含む仮想の学術名を与え,新しい機械的生命体を「発見」したというストーリーを描いています.この生命体は,花に類似した光合成器官を持っていて,蓄えたエネルギーで発光し,オスを呼び寄せるのです.鑑賞者は,彫刻とそれらのストーリーによって,アーティストの生命や機械,遺伝,未来などにまつわるイメージに接近できるかもしれません.
またこの作品は,ロボティクスの実験としての側面も持っています.優れた職人技と工学に裏打ちされたこの造形は,必要な機能を分割してトップダウンに設計するという開発手法を超えて,生物のもつ機械的な構造を観察・模倣してロボットを作り上げるという最新のアプローチを,はからずも端的に示しています.
1970年韓国ソウル生まれ.1992年中央大学彫塑科を卒業,(1999年には同校より修士号取得).1997年から主に韓国国内で活動している.
関連イヴェント
アーティスト・トーク
日時:2008年4月19日(土)午後4時より[終了しました.]|→ 詳細|