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スタッフ・ノート

ICC キッズ・プログラム 2023「こんにちは、もうひとりのじぶん」展 設営&作品紹介レポート 大原崇嘉

2023年8月19日 19:00

8月1日(火)より,ICC キッズ・プログラム 2023「こんにちは、もうひとりのじぶん」展が開催中です.今回の記事では,出品作家の大原崇嘉さんの出品作品について,オープン前の設営の様子とあわせてお伝えしていきます.


大原崇嘉さんは本展示で,《Gazes》(ゲイザズ)という作品に加えて,新作《Oblique Views》(オブリーク・ヴューズ)を出品しています.《Oblique Views》は,設営期間中に設営スタッフやキュレーターと共に実験を行ないながら,制作していきました.どちらの作品も,歪んだ図像をある視点から見ると形が成立して見える,「アナモルフォーシス」という現象を用いた作品です.

《Gazes》は,5台の細長いディスプレイに大原さん本人の等身大3Dモデルが映し出されており,さまざまな方向に視線を向けて立っています.
ディスプレイは支柱を軸にして角度を変えて縦並びに固定されており,ディスプレイごとに体はバラバラな方向を向いて大きさもチグハグに見えますが,作品の前に立っていると3Dモデルと目が合う瞬間があり,その時のその位置からは3Dモデルの体が正常に組み立てられて見えるようになっています.

 

目が合った瞬間の様子

作品設置の様子

また目が合うとしばらくの間,目線が外れないようになっており,少し時間が経つとまた目線は外れ,体もバラバラな向きに戻っていきます.

 

 

一方《Oblique Views》は,会場の壁や床面などの3箇所に,パースがついて歪んだ英語らしい何か文字が書かれており,その各所に簡単な装置とペンなどが用意されていて,文字をなぞっていくという体験型の作品です.それぞれ文字が書かれた場所の前には,透明な板がはめ込まれた黒い枠と視点を固定するための穴が一体になった装置があり,その穴から覗き込んでみると,歪んで見えていた文字が正しい形で見えるようになっています.

 

離れた位置から見た時の歪んだ文字

装置の穴から覗いた時に見える文字

そして黒い枠に合わせて透明なシートを磁石で固定し,目の位置をずらさないように穴から覗き込みながら,シートに文字をなぞって書いていきます.3箇所全てで同様に文字をなぞっていくと,最後には展覧会に関係したある言葉が書き上がるようになっています.

 

《Gazes》と《Oblique Views》は同じ現象を扱っていながら,表現は異なる作品同士になっていますが,どちらも「アナモルフォーシス」という現象を身体的に体験することができ,双方に作品の理解を深め合う関係性が生まれているともいえます.

また,《Oblique Views》は構想から実際に物として作品を作り上げてく過程での苦労があったようです.
「アナモルフォーシス」を体験できる装置を作ろうとした時に,どんな構造の装置を設計したら良いのか,理論的に組み立てていくだけではなく,実験の中で分かっていく部分が多かったようで,その様子からは視覚や脳の働きに関わる現象を扱う難しさと,おもしろさを感じました.

 

実験中の様子(写真左:久納鏡子さん,写真右奥:大原崇嘉さん)

試作品として作られた2種類の装置

青・赤・緑で壁や床に大きく書かれた文字は,会場のグラフィックデザインのようにもなっています.

 

 

会場では,大原さんの作品以外にも体験型の作品を多数展示しています.次回以降のブログ記事でも引き続き,ICC キッズ・プログラム 2023「こんにちは、もうひとりのじぶん」展の出品作品について紹介していきます.どうぞお楽しみに!


ICC キッズ・プログラム 2023「こんにちは、もうひとりのじぶん」
開催期間:2023年8月1日(火)―8月20日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA
開館時間:午前11時—午後6時
入場無料(当日入場は事前予約者優先)
事前予約受付は,ご来場希望日の7日前午前11時より,各入場時間の終了までです.

予約方法詳細は,こちらよりご確認ください.
来場予約へ
(外部のウェブサイトに移動します)

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共同キュレーション:久納鏡子,畠中実
キュレトリアル・チーム:指吸保子,鹿島田知也
展示ディレクション:久納鏡子

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主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] (東日本電信電話株式会社)
後援:渋谷区,新宿区教育委員会,中野区教育委員会,文京区教育委員会




[M.A]