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スタッフ・ノート

オンライン・ワークショップ レポート

2021年11月21日 18:00

10月24日に開催された日本基礎心理学会の公開シンポジウムに,NTTコミュニケーション科学基礎研究所の渡邊淳司さんが登壇され,「ウェルビーイングの測り方・作り方」と題した講演の中で,「オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド」展にて展示中の「わたしたちのウェルビーイングカード」を使ったオンライン・ワークショップが行なわれました.


ICC キッズ・プログラム 2021「チューンナップ じぶんをととのえる」 で行なったワークショップはリアル会場での開催でしたが,今回は「ハイパーICC」で公開されているwebページを利用したオンライン・ワークショップの様子をお届けします.

前半は,ウェルビーイングを理解するためのレクチャーが行なわれました.ICCでも過去に展示した《心臓ピクニック》「スポーツ・ソーシャル・ビュー」などの渡邊さんがこれまで取り組んできた触覚の研究が紹介され,個人が存在すること自体の価値(内在的価値)を尊重し,他者とのよい関わり方を作り合うこと(生成的コミュニケーション)が,ウェルビーイングにつながっていくのではないかとお話がありました.そしてその計測の難しさについても言及され,「ウェルビーイング」とはどういった状態のことを指すのか,考え方を深めていきます. 

 

後半は,シンポジウムの参加者と一緒に,実際にウェルビーイングを考える時間です.
まずは大学生2名によるデモンストレーションが行なわれました.事前に郵送した27枚の「わたしたちのウェルビーイングカード」の中から3枚のカードを引き,カードに書かれたウェルビーイングの要因となる言葉から連想して,自分がそれを感じることについて答えてもらいます.

一人暮らしを始めて調理をするようになったときに「生命とのつながり」を感じたことや,自分の興味関心の結果が「社会貢献」になるのではないかという気付きなど,2人の人柄が垣間見えるような話題があがりました.

次に,シンポジウムの参加者全員で行ないます.
「ハイパーICC」で公開中の「わたしたちのウェルビーイングカード」のページを開き,3枚のカードをランダムに選びます.そして,選んだカードの言葉をみて,どんなときに自分がそれを感じるかを考え,ワークショップのために用意された回答フォームに入力します.

 

しばらくすると,参加者から回答が集まってきました.回答は一覧にまとめられ,他の人がどんなことを考えていたのかも知ることができます.カードの言葉が同じでも,答える人それぞれの背景によって考えられたウェルビーイングにも違いがみられました.

最後に,ワークショップで考えたような「わたし」個人のウェルビーイングは,次のステップとして「わたしたち」のウェルビーイングを作リ合うための手がかりとなることが提示されました.個人のウェルビーイングを分解し,個人のそれぞれが満たされるような集団のウェルビーイングを再構築できるのではないか,と,まとめられました.

「オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド」展内の「リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC『触覚でつなぐウェルビーイング』」では,「わたしたちのウェルビーイングカード」の実物や関連書籍を展示しています.
会期中にはワークショップも予定しています.最新の情報はICCホームページでご確認ください.


[K.N.]