チャンネルICC
「ICC アニュアル2022 生命的なものたち」で展示中の《わたしたちのウェルビーイングカード》を利用したワークショップの2回目として,「アートとウェルビーイングの交差点で,みる・かんがえる・シェアする」を開催しました.
7月に行なったワークショップではカードを使って子どもたちと夏休みの計画を立てましたが,今回は大人たちと展覧会について感想を話し合います.
ファシリテーターは,鑑賞ワークショップを企画運営しているヨリミチミュージアムのみなさんにご協力いただきました.参加者を迎えるところから場を作っていくことで,とても和やかな雰囲気でワークショップが始まりました.
プログラムの前半は,「ICC アニュアル 2022 生命的なものたち」を鑑賞します.参加者それぞれが気になった作品を,ファシリテーターのリードで意見を交換しながら鑑賞しました.メディア・アートにあまり馴染みがないという方もいらっしゃいましたが,誰かと一緒にみることで見方のヒントをもらえたり,解釈の多様さに触れたりと,鑑賞の手がかりを見つけることができたようでした.言葉を交わすことでそこから新たな気付きが生まれることもあります.各グループで3作品ずつ鑑賞しました.
後半では,鑑賞した作品や展覧会について,考えたことや心に残っていることをさらに話し合います.
まずは,どんな作品だったのか,そこから何を思ったか,などを付箋に書き出していきます.
次にそれを《わたしたちのウェルビーイングカード》に書かれたウェルビーイングの要因と照らし合わせながら,しっくりくるカードに貼って他の人と共有します.作品鑑賞から得るものが必ずしもウェルビーイングにつながるとは限りませんが,作品について考えたことを視点をあげて捉えてみると,カードの言葉と結びつく体験もあったようです.どのカードにも当てはまらないことは空白のカードに貼り,それもそのまま場に残しておきます.
付箋とカードで俯瞰的に思考を整理していくと,まだ自分の言葉になっていない感覚がカードの言葉で納得感のある言葉に昇華できたり,似たような感想の言葉でもそれが発せられた視点が違うことに気付いたり,カードや他の参加者の言葉によって自分では意識していなかった気持ちや考えに至る場面があったりと,後半のワークもグループごとに盛り上がりました.
話し合いの中では,ヴァーチュアルとリアル,AIと人間を対比させながら,両者の違いや境界,狭間でのゆれについての話題がどのグループでも出ており,それらは「多様性」や「信頼」,「希望」,「愛」,「親しい関係」,「挑戦」,「あらゆるものへの祈り」などのカードと紐付けられていました.「生命的なものたち」という展覧会のテーマに迫るような話し合いもあり,まだまだ時間が足りないといった様子でした.
今回のワークショップでは,作品の鑑賞を通して私たちを取り巻く環境に思いを巡らせたり,自分自身の価値観に目を向けたりしたことを,《わたしたちのウェルビーイングカード》を使いながらもう一度丁寧に思考することで,深みのある鑑賞の振り返りができました.《わたしたちのウェルビーイングカード》で体験をはかる方法のひとつとして,活用を考えていけるのではないかと思いました.
ICCにご来場の際には,展覧会を鑑賞し終わったらカードを引き,出てきた言葉から展示作品の体験を振り返ってみてはいかがでしょうか.
ICC アニュアル 2022 生命的なものたち
会期:2022年6月25日(土)—2023年1月15日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーB ,ハイパーICC(https://hyper.ntticc.or.jp/)
開館時間:午前11時—午後6時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日もしくは振替休日の場合翌日), 年末年始(12/26-1/4)
入場料:一般 500円(400円),大学生 400円(300円)/高校生以下無料
(事前予約制・当日入場は事前予約者優先)
*( )内は15名様以上の団体料金
* 障害者手帳をお持ちの方および付添1名,65歳以上の方と高校生以下,ICC年間パスポートをお持ちの方は無料
ご入場は事前予約をされた方を優先させていただきます.事前予約受付は,ご来場希望日の7日前午前11時より,各入場時間の終了までです.ICC受付では当日券を販売します.
予約方法詳細は,こちらよりご確認ください.
(株式会社イーティックスデータファームが運営するオンラインチケットサイト)
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC](東日本電信電話株式会社)
[K.N.]