ICC
エマージェンシーズ!009
多田ひと美《全的に歪な行且 -第二-》(ぜんてきにいびつなこうかつ だいに) 展示期間:2008年7月12日(土)—9月21日(日)[終了しました.]
エマージェンシーズ!009
撮影:木奥惠三

オリジナルのプログラムにより,その時間帯にウェブで配信されているニュースのテキストを取得し,文節に切り分け,それぞれの要素を画像検索にかけて得られた画像と付随する テキストが,テキスト・トゥ・スピーチを介したニュース本文の読み上げとともに表示されます.

《全的に歪な行且 -第二-》は,日常に存在する情報や規則をデータ化し,プログラムを通して変形させることで,生活の中でわたしたちが時おり感じる ささいな違和感やずれを可視化していく作品シリーズ《全的に歪な行且》の第二作です.奇妙な響きをもつ人工音声によるニュース,異なる文脈からの画像が 変形され,テキストとともに次々と切り替わりあらわれることで,それらが相互にぶつかり合い,違和感とともにかつてない意味を生み出していきます. やがてデータの切り替えが速くなり,記憶が錯綜していくかのようなモードに突入します‥.既存のデータをリソースに自動的なリミックスを行なうこの作品は, 異なる語り部の異なる記憶に注目し,それらを撹拌することによって<創造>や<覚醒>を試みるものといえるでしょう.

タイトルとなった「全的に歪な行且」は,前作*において「社会的に健全な行い」というフレーズを文字認識した際,ソフトウェア上で誤変換された言葉に由来しています.

*《全的に歪な行且》(2006).六法全書の文脈を歪めて読み上げるインスタレーション作品.

多田ひと美 プロフィール

1985年香川県生まれ.映像,音,ネットワークなど様々なメディアを用い,インスタレーションやインタラクティヴ作品,ライヴ・パフォーマンスなどを展開.2008年多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業.現在,同大美術研究科修士課程デザイン専攻情報デザイン領域に在籍.
http://www.tadahi.com/

関連イヴェント アーティスト・アクト 多田ひと美+アフター・トーク with 四方幸子(ICC学芸員)
日時:2008年8月23日(土)午後2時より[終了しました.] |→詳細|