ICC
《VP3L》
2006年‐
比嘉了
《VP3L》
撮影:木奥惠三

《VP3L》(Visual Programming for 3D Language)は,3次元空間の概念をベースにした,リアルタイム音響プログラミング言語です.コンピュータでシミュレートした3次元空間内に配置されたオブジェクトをプログラムの基本要素として,任意に空間内をナヴィゲートすることによってさまざまな音響を体験することができます.ここではプログラミングの空間が音響空間そのものとなっており,空間内での移動がリアルタイムでプログラムに影響します.

《VP3L》では,事前に用意されたさまざまな音のプログラム・サンプルをベースに,シンプルなインターフェイスを介してプログラミング空間内を移動し,それによって体験者が自在に音を変化させていくことができます.《VP3L》は,当初,アーティスト自らが操作し,パフォーマンスをするために制作され,その後,誰もが操作可能なインスタレーション版へと進化しました.今回の展示では,複数面でのプロジェクションを採用したことで,より没入感のある世界を体験することが可能です.プログラミング空間のほぼ中央(前後/左右/上下)が,体験者のポジションとなっており,そこを起点にランドスケープが変化していきます.広大な宇宙を浮遊するように,自由に空間を探索してください.

比嘉了 プロフィール

比嘉了は,アーティスト/プログラマーとして,オリジナル・プログラムを用いたサウンド・パフォーマンス,ソフトウェア・アートの制作研究を行なう.近年は,3次元空間における独自のユーザー・インターフェイスを設計し,それを用いたリアルタイム音響合成ソフトウェア《VP3L》,《VP4L》を開発. 2007年,《VP3L》がIPA 2007年度第I期 未踏ソフトウェア創造事業に採択される.
http://www.lalalila.org/

過去に参加した展示・イヴェント
キーワード:ソフトウェア

創造のためのツールとしてのオリジナル・ソフトウェアの制作は,アーティストやデザイナー,プログラマーによって90年代末以降に盛んになりました.自らの構想を実現するために,個人や複数の人々がソフトを自作し,共有・改良していく,という方向性は,DIY(Do It Yourself)や共有文化を背景とするものであり,Linux OSに代表されるオープンソース・ムーヴメントの台頭と時期を同じくしています.