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イヴェント・レポート

「小光とあそばnight! ICC出張版」レポート

2021年9月14日 17:00

ICC キッズ・プログラム 2021「チューンナップ じぶんをととのえる」の関連イヴェントとして,8月15日に出品作家の小光さんをお迎えし,「小光とあそばnight! ICC出張版」を開催しました.「小光とあそばnight!」は,小光さんが主催している90年代CD-ROMソフトをMacintoshで実演するイヴェントのシリーズで,今回はその10回目でした.

当日は小光さんの作品エリアにステージと座席を用意しイヴェントスペースを設け,配信用の機材やカメラを設置し同時中継も行ないました.イヴェント開催中は展示作品のうち《Wander in Wonder》は体験不可でしたが,ステージの周りでは変わらず子供達が《here AND there》,《you understand kawaii》を熱心に体験する姿が見られました.


イヴェントの前半は,《Wander in Wonder》をICC 畠中実がプレイし,小光さんから制作時の話等を伺いながら作品紹介をしていきます.《Wander in Wonder》は,迷子のうさぎを家に帰れるようプレイヤーが導いていくインタラクティヴなアニメーション作品です.

操作はマウスの左クリックのみと非常にシンプルですが,道順は示されておらず画面内にいくつものインタラクションが散りばめられているため,プレイヤーは想像力を膨らませゴールを目指すための試行錯誤が求められます.あるいはゴールを目指すだけでなく,ここをクリックしたら何が起こるんだろうとあえて脱線を楽しむこともできます.

作品内の一部の効果音は,アニメーションに合わせて同時に楽器を演奏するという方法で制作されたそうです.そうした手作業によってBGMと効果音,そしてうさぎの可愛らしい動きや表情が相まって,ずっと見ていたいと思える心地よさや柔らかな雰囲気が作られているのかもしれません.

 

後半はCD-ROMソフト『Living Booksシリーズ うさぎとかめ』を小光さんがプレイしていきます.

『Living Booksシリーズ』はブローダーバンド社から1990年代に発表された3歳以上を対象にしたインタラクティヴな絵本ソフトのシリーズです.今回使用したソフトとMacintosh PowerBook G4は小光さんがお持ちになったものを使用しました.

 

本筋のストーリーはイソップ物語の『うさぎとかめ』と同じく,うさぎとかめの競争が描かれています.しかしうさぎとかめの会話や,ストーリーには直接関係しないモブキャラクターの登場などオリジナルの演出がふんだんに盛り込まれています.タイトル画面になると早速うさぎとかめが登場し,プレイヤーに語りかけるようにゲームの開始を促します.ここで2つのモードを選ぶことができ,今回は「あそぶ」モードを選択します.

ゲームが始まるとストーリーテラーとして紫の鳥“サイモン”が登場します.ページをめくると彼の朗読が始まり,朗読が終わると画面内を自由にクリックして仕掛けを楽しむ時間へと移ります.

 

どこをクリックしてみるかは会場の参加者からもリクエストをもらい,1ページずつ時間をかけて見ていきます.

仕掛けは画面の背景や端にも隠されており,動物以外にも,家のポストや煙突,窓,木や野菜など本来無機質なものにまで命があるようなユーモアたっぷりの反応が返ってきます.すでに『うさぎとかめ』の展開を知っている大人にとっても新鮮で,思わぬ反応や動物たちの間の抜けた会話のやり取りに思わずクスッと笑ってしまいます.会場でも度々笑いが起きる場面がありました.

仕掛けはページごとに20近く隠されているようで,今回見たもの以外にもまだまだありそうです.

 

会場で最初から参加されていた親子連れのお子さんは,イヴェントが終わり展示が復帰するとすぐに《Wander in Wonder》を体験していかれました.約1時間半と長い時間でしたが,イヴェント中も楽しんで仕掛け探しに参加する様子も見られました.

小光さんの作品と小光さんが紹介するCD-ROMソフトには共通して,多くの人が共感できる可愛らしさや,どこか懐かしく感じる世界観があるように思います.また必ずしもゴールや攻略を目指すだけではなくプレイヤー自身で楽しみ方を見つけ広げていくよう設計されている部分も共通しており,それによって想像力や観察力を引き出し,年齢を問わず魅了する豊かな体験を与えてくれるのではないでしょうか.

第1回からの「小光とあそばnight!」のイヴェントレポートや,各回の「小光とあそばnight!」で取り上げられたソフトについてまとめたマガジン「こみ通」vol.1〜7が小光さんのnoteでも公開されています.また小光さんのYouTubeチャンネルでは過去に配信された「小光とあそばnight!」の映像をアーカイヴとして見る事ができるので,90年代CD-ROMソフトにご興味のある方はぜひご覧になってみてください.
本レクチャーの記録映像のアーカイヴも今後公開予定です.(時期が決まりしだい,ICCのSNSなどでもお知らせします.)


今回のレクチャーでは触れられませんでしたが,《you understand kawaii》をオンライン展示のアーカイヴで引き続き体験可能です.こちらもぜひあわせてご覧ください.


[M.A.]