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ICC キッズ・プログラム 2017「オトノバ 音を体感するまなび場」出品作品《パフューマリー・オルガン》の関連イヴェントとして,7月29日(土)に「音と香りの実験ワークショップ」を開催しました.
《パフューマリー・オルガン》は,19世紀のイギリスの化学者であり調香師であったセプティマス・ピエスにより考案された香りの記述方法「香階」に着目し製作されました.ビン笛のしくみを使って,香料の入った瓶に風を送り込み,160年前に考案された「香階」に基いた音と香りを奏でることができるオルガンです.
「音と香りの実験ワークショップ」では,《パフューマリー・オルガン》の基盤となる「香階」にフォーカスして,香りの種類とそれが「重い・軽い」と表現される違いについて実験しながら体感できる機会となりました.
ワークショップの講師を行なっていただいた,吉武利文さん(香りのデザイン研究所)/ 木村匡孝さん(株式会社TASKO)
ピエスの「香階」では,高い音には軽い香り,低い音には重い香りが対応づけられています.使わている香料には,動物,樹木,草,花,フルーツなどの種類があります.数ある香料の中からあらかじめ用意された「重い・中くらい・軽い」の香料を嗅ぎ分け,その香りの「重さ」を感じ取る実験がなされました.
重い香りは,「その場にとどまるような」,「甘い」といった形容が同時になされ,バニラなどがその代表例です.軽い香りは,「すーっと抜けていくような」,「さわやかな」といった形容とともにミントや柑橘系の香りが印象的です.
参加者は3つのグループに分かれ,香りの種類や重さを体感しながらその違いについて共有し,それぞれが好みの香りを発見していきました.ワークショップの終わりには,グループごとに好みの香りをかけ合わせることでどんな香りになるか,その香りに名前をつけて表現することを試みました.
グループの調香を行なう小森あやさん(株式会社TASKO)/ 調香された香りを確認する木村さん
ICC キッズ・プログラム 2017「オトノバ 音を体感するまなび場」で展示している《パフューマリー・オルガン》は,音として実現できなかった「香階」も含めて,香りの原料と,実際に嗅ぐことのできるサンプルを用意しています.
香りを楽しむ芸道「香道」においては香りを鑑賞することを「香りを聞く」というのだそうです.音と香りをまさに聞くことができる《パフューマリー・オルガン》を通じて,耳だけでなく,目で,鼻で,音を体感してみてはいかがでしょうか?
みなさまのご来場お待ちしております!
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ICC キッズ・プログラム 2017「オトノバ 音を体感するまなび場」
会期:2017年7月15日(土)—8月31日(木)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA
開館時間:午前11時—午後6時
休館日:月曜日(月曜が祝日の場合翌日)
入場無料
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
後援:渋谷区教育委員会,新宿区教育委員会,中野区教育委員会,文京区教育委員会
[Ka.T]