ICC
ライト・[イン]サイト—拡張する光、変容する知覚
《PRINTED EYE(LIGHT)》撮影:高嶋清俊 
《PRINTED EYE(LIGHT)》1987—2008年
藤本由紀夫
体験者が自分の眼に向けて網膜に弱いストロボ光を発することで,文字の残像を作品として体験させるもの.今回は「LIGHT」(光)という言葉が,光による非物質な体験として体験者それぞれの網膜上に知覚されることになる.眼球に直接文字を焼き付けることで成立する,他者とは共有できないパーソナルな体験としての作品.藤本は「眼をとじても,みえてしまい,やがて消えていく文字.それは音を聴くことににている」と述べている.
「ヴォイス・オン・LiS」にて,この出品作家のインタヴューをお楽しみいただけます.
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藤本由紀夫1950年名古屋生まれ,大阪在住.1970年代よりエレクトロニクスを使用したパフォーマンス, インスタレーションを行なう.音を形で表現したミニマルな作品や,その作品を使ったパフォーマンスなどを通して,空間において各体験者がいかに知覚を開き,受容していくかを作品として提示. とりわけはかなく流動的なものの知覚化は,同時に体験者を自身の知覚の潜在的な可能性に直面させることになる.10年間毎年続けられた一日だけの展覧会「美術館の遠足」(西宮大谷記念美術館,1997-2006),ヴェネチア・ビエンナーレ(日本館,2001)など,国内外で活動を展開.