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「ICC アニュアル 2026 遺す/残る/受けとめる」上映プログラム

2026年9月19日(土)—11月8日(日)毎週土日祝日

概要

「ICC アニュアル 2026 遺す/残る/受けとめる」に関連して,展覧会のテーマへの理解をさらに深めるために,ローサ・メンクマンとキム・ヨンウンの映像作品,ICCで過去に開催したイヴェントの記録映像,そしてICCの映像コレクションを上映します.

本展では,歴史と技術,メディアの関係に着目し,それらが歴史や記憶の形成にどのように関わってきたのかを考えるとともに,「遺す」「記録する」という行為そのものを問い直しています.

過去のメディアや技術をたどり,現在のメディア環境を歴史的に捉える「メディア考古学」.エルキ・フータモのトークでは,その課題と可能性について語られ,岩井俊雄とポール・デマリーニスのトークからは,彼らの実践に通じるメディア考古学的な態度を見て取ることができます.また,ローサ・メンクマンの作品にもまた,こうした視点が見られ,イメージを支える規格や技術と,そこからこぼれ落ちるものを問い直します.キム・ヨンウンの作品は,音や聴取を通して近現代の歴史を考察します.そして,ICCの映像コレクションから6作品を加え,さまざまな視点から歴史と向き合い,技術やメディアとの関係を考えます.


上映期間:2026年9月19日(土)—11月8日(日)毎週土日祝日
会場:ICC 4階 シアター
定員:29名(このうち車椅子席 2)* 当日先着順
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

*「ICC アニュアル 2026 遺す/残る/受けとめる」展の当日の入場チケットが必要です.
途中入退場自由
「ICC アニュアル 2026 遺す/残る/受けとめる」展には事前予約の方が優先でご入場いただけますが,本上映プログラムは先着順となります.

上映時刻につきましては,シアター・スケジュールのページでご確認ください.
* 9月24日以降のシアター・スケジュールは,決まりしだい,ICCのウェブページなどでお知らせします.


上映プログラム

  • エルキ・フータモ スペシャル・トーク:メディア考古学の可能性(抜粋)
  • 上映作品

     

    ローサ・メンクマン:欠けているヴィジョン

    本編約56分

    ローサ・メンクマンはこれまで,テクノロジーによって標準化されてきたイメージの歴史を注意深くリサーチし,メディア考古学的な視点を持つ批評的な作品へと展開してきました.2010年以降に制作された映像作品を,新たなナラティヴにもとづき一本の作品として再構成した本プログラムでは,解像度をめぐる探求が中心的なテーマとなっており,PALやJPEGをはじめとする映像(画像)の産業規格や圧縮技術,そして,そうしたシステムから排除/不可視化されるものについてが語られます. 


    キム・ヨンウン:歴史を聴きなおす


    本編約44分

    キム・ヨンウンは,過去の音の記憶や記録をたどり,社会や制度,技術が人々の「聴く」という行為をどのように形づくってきたのかを探求しています.本プログラムでは,韓国と日本の近現代史に関わる音と聴取を通して,歴史を捉えなおす3作品を上映します.

     

    ICC 映像コレクションより

    本編約76分

    本プログラムは,歴史と技術の関係,とりわけメディアによって記録されたイメージが何かを捨象してしまうという本展覧会の批評的視点を踏まえ構成されています.

    前半,島野義孝によるディスプレイを破壊する行為のフィードバックループを記録したヴィデオや,スタイナ&ウッディ・ヴァスルカによる映像信号の直接的な変調によって生成されるイメージなど,電子的なイメージの生成プロセスに介入し,あえて機能不全にすることで,通常は自明とされる映像メディアそのものを問い直す作品群から始まります.続くビル・ヴィオラによる淡々と風景を映す作品は,映像記録の原理のひとつである光それ自体を記録することの可能性と限界を示しています.由良泰人の作品では,ある風景に関する記憶が,画面上で施される画像処理によって,しだいにその真正性を失っていきます.

    コレクションとは,過去の断片が堆積した地層のようなものであり,イメージを語る新たな枠組みが普及するにつれて,制作当時とは異なる読みを可能にするものでもあります.本プログラムに含まれるヴィデオ作品は,CRTモニターでの表示を前提として作られましたが,それらを現在の眼から投影という形式で見てみることでどのような発見があるでしょうか.

     

    メディア考古学とアーティストたち(ICC20周年記念シンポジウム「メディア・アートの源流とその変遷 メディア・アートとICCの20年」より抜粋)

    Part 1:本編約98
    Part 2:本編約53分

    本プログラムは,2017年にNTT ICCの20周年を記念して開催したシンポジウムの記録からの抜粋です.オリジナルはアーティストの岩井俊雄とポール・デマリーニスが自身の作品について解説し,研究者のエルキ・フータモがメディア考古学についてのレクチャーと2作家との意見交換を行うという企画でした.

    「ICC アニュアル 2026」において,複数の作家に共通して見られるのが,メディア考古学的な態度です.メディア考古学とは,メディアの発展における単線的な技術史や歴史観を批判的に検討し,新たな視点を導入する試みです.特に,廃れてしまった傍流のメディアと,それらの受容や体験を研究することで,現在主流となっている技術(史)の非自明性を明らかにするものです.

     

    ICC インタヴュー・シリーズ
    岩井俊雄

    本編約32分

    「メディア・アートの源流とその変遷 メディア・アートとICCの20年」に出演の岩井俊雄の1990年代のインタヴューです.コンピュータやゲームなど同時代のテクノロジーから,映画前史の映像装置までを参照しながら,アーティストがメディアをいかに捉え,解釈し,作品という形に取り込むのかについてが語られています.聞き手は坂根厳夫. 


    エルキ・フータモ スペシャル・トーク:メディア考古学の可能性(抜粋)

    本編約94分

    メディア考古学の創始者として知られるエルキ・フータモの日本語初単著出版にあわせて開催したイヴェントです.本レクチャーでは,多彩な図版・映像資料とともにメディア考古学とは何か,その課題と可能性について話されています.*本トークは2015年に実施され,HIVEにてオンライン公開している同タイトルの映像の一部抜粋です.

    主な参加アーティスト

    展示 & イヴェントをみる