ワークショップでは,LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を使用して,多人数で同時に「連画」を行ない,サイバーネット上で画像が錯綜しあう様をいくつかの角度から考察した.連画とは,コンピュータ・ネットワークを使った画像通信によるコラボレーションである.アーティストの安斎利洋を宗匠(マスター)に20人の連衆(れんじゅ=メンバー)が,基となる一つの画像にリンクして彼ら自身の作品を制作する.リンクというのは画像そのもののマッピングであったり,アウトラインのサンプリングであったり,テーマの継承であったりする.そうしてできあがった最初の作品を1世代とし,今度はそれらが次世代の種となり何世代も同じようなサイクルを重ねて,ひとつのネットワークを形成していった.
『ICCコンセプト・ブック』(NTT出版,1997)より引用