ニュースクールで行なったワークショップ,「二の橋連画—影響のネットワーク」(1994年8月30日,9月6日,8日)の成果発表の展覧会.ワークショップでは,LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を使用して,多人数で同時に「連画」を行ない,サイバーネット上で画像が錯綜しあう様をいくつかの角度から考察した.連画とは,コンピュータ・ネットワークを使った画像通信によるコラボレーションである.アーティストの安斎利洋を宗匠(マスター)に20人の連衆(れんじゅ=メンバー)が,基となる一つの画像にリンクして彼ら自身の作品を制作する.リンクというのは画像そのもののマッピングであったり,アウトラインのサンプリングであったり,テーマの継承であったりする.そうしてできあがった最初の作品を1世代とし,今度はそれらが次世代の種となり何世代も同じようなサイクルを重ねて,ひとつのネットワークを形成していった.展覧会では,その連画会の作品相関を壁に貼り出し,その関係を検索装置によって解読できるようにした.さらに,会期中にもBBS(電子掲示板)を使い,「四ツ谷連画」 として新たな「連画」の展開を試みた.
『ICCコンセプト・ブック』(NTT出版,1997)より引用