チャンネルICC
白井愛咲とKEKEによる2人組コンテンポラリー・ダンス・ユニット アグネス吉井は,1月16日より公開された「ヴァーチュアル初台」「ハイパーICC」というふたつのアプリ内にアヴァターとして登場するだけでなく,AR体験アプリ「STYLY Mobile」のコンテンツ「Aguyoshi AR」(2021年3月31日をもって公開終了)で場所を問わずに,彼らを出現させられるコンテンツとしての展覧会への“参加”に加え,リアル会場ではパフォーマンス《ここにもいる》を行ないました.
上写真:パフォーマンス アグネス吉井《ここにもいる》
パフォーマンス《ここにもいる》の様子
彼らのアヴァターを作成する準備の様子は4月16日公開のブログでも少しご紹介しています.
「ヴァーチュアルICC」でのアヴァター
「ハイパーICC」でのアヴァター
「Aguyoshi AR」でのアヴァター
VRゴーグルとマスクをつけ,表情がほぼ見えない二人がそっと登場しますが,どこから現われるかは,アーティストとICCスタッフしか知りません.会期中の上演回数は,開催日6日で計41回にのぼりました.約1時間ごとに展示室に現われ,展示室に居合わせた来場者のみなさんは,リアルな彼らを展覧会の一部として鑑賞することとなりました.コロナ禍での観客の集中を避ける意図もあり,パフォーマンス上演時刻についてはウェブ,SNSでも明確にはお知らせすることを行ないませんでしたので,開始されてしばらくは彼らのパフォーマンスが始まったことに気づかない方が,不意に現われた二人に驚いたり,「Aguyoshi AR」と併せて,リアル会場ならではのヴァーチュアル展示を同時に鑑賞して楽しまれている来場者の様子も見られました.
「Aguyoshi AR」でリアル会場でのパフォーマンス中のアグネス吉井にアヴァターを重ねる
彼らのパフォーマンスは「サイトスペシフィックな」と特徴づけられていますが,パフォーマンスの行なわれる場所の形状に身体を静かに合わせることで,その環境に同化していくものです.ゆっくりと会場内を移動し,たたずみ,そっと動いて次々にポーズをとっていく様子は,現実の空間にいながらにして別のパラレルな時空間をサーチしているようでもあり,このパフォーマンス自体が多層世界の存在を想像させるようなものになっていました.
ICCのYouTubeチャンネルでは「多層世界の中のもうひとつのミュージアム」展ヴァーチュアル初台アプリのプレイ動画を公開しています.また,短い時間ですが,パフォーマンスの記録映像は「ICC 活動記録 2020-2021」(15:51–16:00)でもご覧いただけます.アグネス吉井のInstagramアカウント(@aguyoshi)でも,さまざまな場所での彼らの様子を見ることができますので,ぜひチェックしてみてください.
[A.E.]