チャンネルICC
12月20日より,エマージェンシーズ!030 市原えつこ「デジタル・シャーマニズム──日本の弔いと祝祭」の展示がスタートします.作家の市原さんも会場入りし,作品の調整を続けています.
今回展示されるのは,市原さんが現在手がけている二つのプロジェクトで,いずれも日本の民間信仰とテクノロジーを融合させることをテーマにしています.
「デジタルシャーマン・プロジェクト」は,平成27年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業に採択されたプロジェクトで,今年の2月にプロトタイプになる作品が完成し,今回はICCの展示に合わせ,これまでとは違うロボットを使って展開されています.展示されているロボットの頭をさわるとプログラムが起動し,故人がロボットに憑依しているさまをみることができます.
「死」に伴う「弔い」という古来より続いてきたシステムを,テクノロジーを使って新たにデザインし,その要素として「四十九日」という日本人になじみのある儀礼の型を使いながら,49日間ロボットに故人の人格を憑依させるという設定をプログラムすることで,新しい弔いの提案と,日本人特有の生命や死の捉え方も探求されています.
設営中の市原えつこさん
もうひとつは,秋田県・男鹿市で200年以上続く「ナマハゲ行事」がモチーフになっている「都市のナマハゲ - NAMAHAGE in Tokyo」.ISID(電通国際情報サービス)イノラボとの共同で進行中のプロジェクトです.
ナマハゲのお面や衣装は,「秋葉原のナマハゲ」を解釈し,デザイン・制作されたもの.ナマハゲのお面はアーティストの池内啓人さんによる造形です.池内さんは,2013年のエマージェンシーズ!020《プラモデルによる空想具現化》出品作家で,今回はコラボレーターとして展示に参加されています.
設営中には池内さんも来館され,ナマハゲのお面のメンテナンスや設置位置など,微調整されました.
また衣装は,ファッションブランドのchlomaが担当するなど,男鹿のナマハゲのリサーチがどのように発展したのか,「都市」に実装するために生み出された,新たなナマハゲの姿にもぜひ注目してみてください.
みなさまのご来館をお待ちしております!
エマージェンシーズ! 030
市原えつこ「デジタル・シャーマニズム——日本の弔いと祝祭」
会期:2016年12月20日(火)—2017年3月12日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
開館時間:午前11時─午後6時
休館日:月曜日(月曜が祝日の場合翌日),年末年始(12/29─1/4),
保守点検日(2/12)
入場無料
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
* 展示期間中に,関連イヴェントの開催を予定しています.詳しくはホームページなどで最新の情報をお知らせいたします.
[N.K.]