チャンネルICC
7月23日(土)に「ニッティングマシーン・ハックとグリッチニット」を出品している作家のヌケメさんが会場でマシーン・ニッティングのデモンストレーションを行ないました.
ICC キッズ・プログラム 2016 「気づきフィルター メディア・アートの要素を探してみよう」で展示している作品は,作品タイトルのとおり,ニッティングマシーン・ハックとグリッチニットです.
展示しているニッティングマシーンは,80年代に流行し90年代に生産が終了したブラザー製の家庭用編み機で,編み図の入力はフロッピーディスクで行なっていた機種ですが,いまのコンピュータやソフトウェアでは扱いづらいため,ハッキング(改造)がなされ,現行のコンピュータで扱えるようになっています.
そのハックしたニッティングマシーンを使って,元となる編み図をそのまま出力したニット,編み図をバイナリエディタでグリッチさせて編んだニット,レース編みを行なう際にレース編みの編み図としては破綻したデータを入力して編み機を誤使用することで,ハードウェア的なエラーとしてグリッチを起こさせて編んだニットを展示しています.写真の左奥に見えるのがレース編みのグリッチニットです.
展示では通常,オートキャリジという自動編み機で動かしていますが,展示しているニットを編むためには,KキャリジとLキャリジという部品を使って人が編みます.KキャリジはKnitのK,LキャリジはLaceのLではないかとヌケメさんは言っていました.
レース編みの方は,糸のテンションとキャリジの動かすスピードなどでも仕上がりが変わってくるとのことで,再現不可能な一点ものが毎回出来上がってくるそうです.
アーティスト・デイは,ヌケメさんに実際にグリッチニットを編むデモンストレーションを行なっていただき,希望者にはKキャリジを使ったマシーン・ニッティングを体験してもらいました.
3時間のデモンストレーションで編み上がったのは,模様編みの1枚と,レース編みの0.5枚となりました.
アーティスト・デイに編み上がったグリッチニットは,会場内で触れられる展示物として設置しました.レース編みのグリッチニットの仕上がりの違いを見比べたり,触ったりしてみてください.
マシーン・ニッティングのデモンストレーションは,会期中にあと3日間予定しています.ぜひ,なかなか見れる機会の少ないマシーン・ニッティングを見に,体験しにいらしてください.お待ちしております!
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ヌケメ 菅野創 アーティスト・デイ
開催日時:2016年7月31日(日)(ヌケメ),8月11日(木・祝)(ヌケメ),8月20日(土)(ヌケメ,菅野創)各日とも午後1時―4時
会場:ICC ギャラリーA 「ニッティングマシーン・ハックとグリッチニット」作品スペース
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ICC キッズ・プログラム 2016「気づきフィルター メディア・アートの要素を探してみよう」
会期:2016年7月16日(土)―8月31日(水)
開館時間:午前11時―午後6時
休館日:月曜日(月曜が祝日の場合翌日),保守点検日(8/7)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA
入場無料
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
後援:渋谷区教育委員会,新宿区教育委員会,中野区教育委員会,文京区教育委員会
[Ka.T]