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おすすめコンテンツの紹介(2)

2011年12月14日 11:00

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「ICC インタヴュー・シリーズ 11:藤幡正樹」より

今回は.ICC OnlineとHIVEから藤幡正樹さんに関するコンテンツをご紹介します.

■ ICC インタヴュー・シリーズ 11:藤幡正樹(1997年収録)
http://hive.ntticc.or.jp/contents/
interview/fujihata


インタヴューの冒頭で藤幡さんは,技術に対して驚きを覚えた最初の経験であるという,アニメーションの技術について語られています.一コマ一コマを描き,フィルムにして上映することで動かなかったものが動く.その反対に,フィルムを分解してみると全部が静止しているといったアニメーションのメカニズムに新しい可能性を感じたと話されています.


藤幡さんが大学を卒業した80年代初頭,黎明期であったコンピュータ・グラフィックスと出会い,コンピュータ・グラフィックを制作する会社に参加されます.制作を大変面白く感じると同時に不満を覚えたことが,制作物がすべてヴィデオでレコーディングされ人前に出るという画一的な鑑賞方法であり,技術に見合うメディアがないということでした.
その後,80年代半ばからは,3次元の立体をCGの映像としてコンピュータのスクリーン上で観る,ということに対する大きなフラストレーションを発端に,コンピュータのデータから立体を作るという仕事を始めたと語られています.そして,立体を制作する過程で,結果的に立体物そのものには実体感が伴わないため,プロセスの中にしかリアリティがないのではないかと感じるようになった,と当時を振り返ります.
また,同時期にギャラリーで展示を行なった際には,藤幡さんご自身がコンピュータとインタラクトしている状況を立体を通して見てほしいという意図とは異なり,鑑賞者はそれらを単なる彫刻物として見なしていたという経験が後のインタラクティヴな手法へ続く変化をもたらしたと述べられています.


インタラクティヴなものを制作し始めるようになり非常にはっきりと感じたのは,インタラクティヴな作品というのはユーザーに体験を強いるこということで,ある絵画を鑑賞するといった体験とは異なるということでした.実物をみる,複製をみる,本のなかでみる,あるいはテレビの番組にみるなど,メディアの多様化に伴う体験行為の複層化とアンコトローラブルな状況に対して,当時制作していたインタラクティヴな作品はその場でしか体験しえない体験だと定義されています.
そしてインタヴューの中で藤幡さんは当時,世界や環境そのものをコントロールし,複製化したものを作ろうとしており,その体験が世界をみるための新しい見方の定義を導くのではないかと語られています.


インタヴューの終盤では,1995年にICCでも展示し,1996年にアルス・エレクトロニカ(リンツ,オーストリア)でゴールデン・ニカ賞を受賞した《グローバル・インテリア・プロジェクト》のシリーズを制作するに至った経緯,概要について説明されています.作品の特徴のひとつであるヴァーチャル・スペースとリアル・スペースの相互作用を例に,来るべき未来のメディア・デザインはどのようなものかということを提言されています.


ICC Onlineでは,上記のHIVEのインタヴューのほかにも,藤幡正樹さん,伊藤俊治さん,武邑光裕さんの1992年の対談,フロンティア・オブ・コミュニケーションを公開しています.インタヴューで触れられていた立体を制作されていた当時の対談で,こちらでもヴァーチュアルとリアルの関係性などを語られています.
立体(デジタル・スカルプチャー)の試みの一環である《トルソ:画像から立体へ》と《禁断の果実》は,ICCでも2005年に展示されています.


■ フロンティア・オブ・コミュニケーション
(『インターコミュニケーション』No.0(1992年春号)収録)
http://www.ntticc.or.jp/pub/ic_mag/ic000/frontier/frontier_1_j.html


インタヴューが収録された1997年以降から今日に至るまで,藤幡さんはさまざまな作品を制作されています.ヴァーチュアル・リアリティが人の持つリアリティとメディアの関係性にパラドックスを生じさせる《無分別な鏡》(2005)や,並立に存在する出来事を映像化し,空間に没入することで別種のリアリティを作り出す《Field-Works》シリーズ(ICCでは《フィールド・ワーク@アルザス》を2003年に展示)など,リアリティという切り口でも多様な作品を発表されています.

ICCで過去に展示された作品一覧


なお,今回ご紹介したインタヴュー映像の一部は,現在開催中の「オープン・スペース 2011」のテーマ展示「アート&コミュニケーション・テクノロジーの50年」でもご覧いただけます.


[N.C.]