本作品は,2014年に「札幌国際芸術祭 2014」で制作・発表された,坂本龍一と真鍋大度によるコラボレーション作品です.この作品は,人間には通常知覚不可能な電磁波をセンサーを用いて感知し,可視化,可聴化し,現代社会において欠かせないインフラでありながら普段は気づかれない電磁波の流れを多様な形で顕在化します.また,放送局や通信事業者に割り当てられた周波数帯を「見えない領土分布」ととらえるコンセプトを踏まえ,個人が積極的に関与することで形成される一種の生態系として表現しています.
これまで,札幌,東京,ソウル,アムステルダム,サンパウロ,香港,北京,成都など様々な都市で展示され,展覧会場の異なる特性に合わせてその展示形態を変化・発展させてきました.
今回,ICCの展覧会に合わせてアップデートし,最新のヴァージョンとして展示されています.生前の坂本と真鍋は,本作のアップデートに関して多くのアイディアを交わしていました.新型コロナウイルスの影響などで大規模な更新は行なえなかったものの,今後も本作は人間が通常知覚できない情報を可視化,可聴化することに焦点を当て,様々な形で発表され続けるでしょう.
サウンド・プログラミング:濱哲史
ソフトウェア・エンジニアリング:2bit
プロダクション・サポート・エンジニアリング:Keke(Studio Daito Manabe)
プロダクション・マネジメント:空里香,宿院卓馬(ライゾマティクス),渡部里奈(Studio Daito Manabe)
テクニカル・サポート:株式会社イースタンサウンドファクトリー