evalaは《大きな耳をもったキツネ》において,故郷である京都府北部の京丹後でのフィールド・レコーディング音源をもとに,録音された場所の空間の残響と反射を擬似的に作り出し,音響的変化を伴う音の運動を加えて作曲しています.ICCの無響室のために,2013年から14年にかけて4曲が制作されました.4曲のうち2曲では,京丹後と縁の深い世界的なサウンド・アーティストである鈴木昭男が参加し,鈴木による自作音具(グラス・ハーモニカ,クギウチ)の演奏をevalaが録音/作曲し,仮想の音響空間を創出しています.
《Our Muse》は,2017年に開催された「オープン・スペース 2017 未来の再創造」展参加にあたり,あらためてICCの無響室のために制作された作品です.沖縄・竹富島の御嶽(うたき)という特殊な反響をもった非日常空間で収録したフィールド・レコーディング音源をもとに,まるで時空が変容するような高次元的音体験を構築しています.
コンセプト,ディレクション,音楽,音響:evala