970401 小林克弘
・岡崎乾二郎,丸山洋志,古谷誠章の各氏によって,「島」→「堤防・船・壷」→「迷路と仮枠」→「日々変わる迷路・まだらのムラ」という具合に,期待以上に順調に読み上げられてきた連歌(らしきもの)は,鵜沢隆氏の方法論的エポケとでも言うべき歌によって,新たな局面を迎えた.幸福な叙事詩・叙景詩の連鎖の中に観念詩の難解さが導入されたのである.歌の内容自体は,極めて明快である.内容をヴィジエアライズすること,および連歌を続けるためのキイイメージを抽出すること,において難解なのだ.
・と前口上を述べた上で,私なりに鵜沢氏のキイイメージを抽出して,「宙吊り・断絶」と想定したい.そして,それを展開するテーマとして,「浮遊」を掲げたい.
「浮遊」にまつわる断片的説明を幾つか…・・
1)「浮遊」によって,宙吊りの不安は,軽快な生気へと転化される,という楽観的
観測.断絶すらも解消される.
2) そもそも島は浮遊している.鳥の中の島?
3)「浮遊」といっても,必ずしも実体が宙に浮いているとは限らない.
−−できるだけコンセプチュアルに表現すること.
4)「まだらのムラ」の幾つかは更に浮かび上かるだろう.迷路はどうなるか?
5)電子情報,電脳都市の浮遊感も重要である.
・しかし,現時点で既にこの連歌のシュミレーション・トレーニングの順番と,実際の展覧会の順番とは,大きく異なっていることがわかっている.私の前には,丸山氏も古谷氏も鵜沢氏もいない.となると,本番では全く違った歌を読まなくてはならないかもしれないのだか‥‥‥そういえば,今日はエイプリル・フール!!
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