ICC





はじめに
入場料
展示作品 1
展示作品 2
海市について




計画/経緯
ANY会議/ユートピアをめぐる言説
ヴェネツィアビエンナーレ/海市計画コンセプトパネル
展覧会について(会場構成




1. プロトタイプ
2. シグネチャーズ
3. ヴィジターズ
4. インターネット
ウェブページを通じた展覧会への参加
DWF形式によるAutoCAD図面の参照
フォーラムのページ
参加作家
カタログ
 
1997年4月19日 〜 7月13日 [終了しました.] ギャラリーA





インターネット




インターネットを通じて不特定多数(Anyone)の人々にユートピアの計画への参加を呼びかけます.「シグネチャーズ」がインターナショナルな建築家,「ヴィジターズ」がデジタル世代の建築家(ゲスト),というように専門家の参画をえてプロジェクトが進行するのに対し,ここではインターネットを介した様々な分野の人々の介入が期待されます.
インターネット自体は,各地に散在するローカル・ネットワークが自然発生的に結びついて一つの総体をなしたものだといわれています.その成立のプロセスそのものを都市の計画にシミュレートできないだろうか,というのがここでの主眼です.インターネットと比較して,いわゆる商用ネットは「マスタープランの存在する」ネットワークです.これらに比べてインターネットでは情報は基本的に無料であり,システムは無数のボランティアにより支えられています.そして,この事実が世界を大きく変えようとしています.
また,電子を媒体としたネットワークを人や車やエネルギーが行き交う都市のネットワークと比べた場合,そこには大きな違いが現れます.秒速30万キロで移動する電子の世界では距離の概念は事実上,存在しません.そこは事物の関係性のみが意味をもつトポロジカルな世界です.一方,都市の計画では,そのネットワークは距離空間,すなわち3次元ユークリッド空間の幾何学に支配されます.しかし現実の都市は,この古典的な空間からトポロジカルな空間へと急激にメルト・ダウンしつつあります.ボランティア/トポロジカルな空間/創発/進化…これらは,都市をどのように変貌させるのでしょうか.また,どのようなパターンとしてビジュアライズされるのでしょうか.
「海市」では,とりあえず,ここに掲載した抽象的な図から出発します.はじめの図はヴェネツィアにおける教会の分布をトレースし,「海市」にプロットしたものです.この段階で教会という属性ははぎとられ,単なる点(ノード)の分布に還元されます.そして各ノードを基点としてシナプスのように網目状にネットワークが広がってゆきます.図は,そのネットワークの進化をストリート・パターンに見立て,街区の形成されてゆくプロセスをシミュレートしたものです.参加者はまず,この抽象的なノードに具体的な属性(プロパティ)を与えてください.そのうえで,ネットワークを形成するプロセスについて考えてください.それは大域的でなく,局所的なものでかまいません.ウェブ・ページを通じて集められた情報を重層的に重ねてゆくことで,「海市」全体のネットワークは進化してゆきます.その進化の手続き,ヴィジュアリゼーションの手法についてフォーラムの場で広範な議論を期待します.建築の専門家だけでなく,インターネットを生活の基盤としている人,研究者,ネット・オタク,ハッカー達,これらの人たちに広く参加をよびかけます.