ICC





はじめに
入場料
展示作品 1
展示作品 2
海市について




計画/経緯
ANY会議/ユートピアをめぐる言説
ヴェネツィアビエンナーレ/海市計画コンセプトパネル
展覧会について(会場構成




1. プロトタイプ
2. シグネチャーズ
3. ヴィジターズ
4. インターネット
ウェブページを通じた展覧会への参加
DWF形式によるAutoCAD図面の参照
フォーラムのページ
参加作家
カタログ
 
1997年4月19日 〜 7月13日 [終了しました.] ギャラリーA





ヴェネツィア・ビエンナーレ 六曲一双 左隻




#1
海市=ミラージュ・シティは南シナ海,マカオ沖に建設される人工島である.当初の構想は1999年にマカオを統合することになっている珠海市の依頼によって始められた.

#2
島は,東と西,過去と未来の交錯する地点に位置する.そこでは聖なる山に端を発した竜脈にそって「気」が湧き出でる.それは,あたかも海に浮かぶ蜃気楼のようなもので,トマス・モアのユートピアを想起させる.

#3
海市の社会構造は旧来の政治,経済,社会制度から逸脱する.そして,多様なテクノロジーの導入によってもたらされる生活慣習の根本的な変革を支持する.新しい建設技術,エネルギー資源の有効利用,交通システム,そして通信メディアの急速な進歩,等々.

#4
海市は近代を形作ってきた3つの基礎概念−前線(フロンティア),境界(バウンダリー),消失点(バニシング・ポイント)−の消滅によりもたらされる新しい世界モデルを提示する.フロンティアとは,領域が無限に拡張可能だとしたときにのみ有効な概念であり,境界は,国家間が自国の領土を防衛するために緊張状態を保持しようとするとき存在する.消失点は近代主義における主観的な視点を固定化する.

#5
アジアにおける政治コミュニティは,ヨーロッパにおけるECのように,遅かれ早かれ統合へと向かう.海市-=ミラージュ・シティはこの流れのなかで,理想的な中心となり得る.権力への必要条件が,すなわち土地を支配することを意味した近代の慣習とは極めて対照的である.

#6
新しい情報ネットワークを備えたビジネス施設が構築される.現在,われわれの社会制度を変革しつつある情報ハイウェイと通信衛星が日常生活の諸要素をビットに分解し,デジタル・インフォマティクスとして再構築する.

六曲一双 右隻