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2005年10月21日(金)—12月25日(日)ギャラリーA,B,5Fロビー,エントランス・ロビー
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展示作品(会期中,一部作品の展示替えがあります.) |

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中谷芙二子
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《水俣病を告発する会—テント村ビデオ日記》
"Friends of Minamata Victims - video diary"
共同制作:小林はくどう
1972年
ヴィデオ,モノクロ,20分
《老人の知恵—文化のDNA》
"Old People's Wisdom"
共同制作:小林はくどう,かわなかのぶひろ,森岡侑士
1973年
ヴィデオ,モノクロ,10分
水俣で水銀汚染の犠牲者を大量に出したチッソ株式会社の丸の内本社前で抗議運動をする人たちを撮影している映像は,ドキュメンタリーの作品とは違い,それを撮影した後にすぐに再生ができるヴィデオの特性を活かして運動に参加している人々に見せることを実践し,同時期に開催されていた「ビデオ・コミュニケーション/DO IT YOURSELF kit」展(ソニービル)でも上映した.その結果,参加できない人がいても,常に運動の一体感を保つことができた.また,カメラで撮影をすることで通りがかりの人の関心や能動的な態度が喚起されることもあったという.
老人たちの語りを収録した作品も,新しい「記憶」のメディアと共同体の関係を模索するものだったといえる.「生活の知恵」「信条」「夢」についての3つの質問を老人たちに問いかけ,その知恵にコンピュータを介在させてランダム・アクセスすることをめざしていた.無名でありながらも時代を越えて語るべきものを持つ人たちが,情報を伝達していくための手段として,マスメディアとは違う映像表現の在り方を模索するものだった.
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《卵の静力学》
"Statics of an Egg"
1973年
ヴィデオ,モノクロ,10分,サウンド
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二つの手で,机の上に卵を立てようとする作業が淡々と映し出される作品である.卵の重心を探ろうとする指に卵の揺れが伝わり,それが力としてまたフィードバックされる微細な動きの連続を生む.それが実は,立てようとする明確な意識が身体を制御することによって成功するのではなく,身体器官との相互作用を通して達成される感覚が捉えられている.
日常の生活では眼を向けることもない些細な出来事のなかに,人間の意識や解釈では捉えきれない出来事の法則のようなものがあることを,映像が鏡のようにして見せてくれることがある.こうした出来事を捉えていく感性は,個人による映像の撮影や上映で表現されていく重要なものとなっていく.
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