『顔ポイエーシス』は,タブラ・ピクシマによって描かれた安斎利洋と中村理恵子の絵を増殖回路の中に共存させることによって,私の絵の無数の可能性と他者の絵の無数の可能性を遺伝的に交配する実験です.個の境界線を問い続けてきた連画の,新しい地平でもあります.『タブラ・ピクシマ』は,絵をピクシム(pixeme)と呼ばれる要素で描いていく新しい概念のペイントシステムです.ピクシムは,形や色が固定された定数ではなく,交換可能なピクシム群=ピクシマ(pixema)を代入できる変数で,ピクシムの集まりとして描かれた一枚の絵は,画家が描いたかもしれない無数の絵の束すべてを含むことになります.また,タブラ・ピクシマによって生成された絵の出力をピクシマ・プールに戻すことによって,無限増殖回路が始動します.
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