|
ビデオプロジェクターによって「彩られた」空間の四つの壁面が,現実感のある360°の一枚の写真風景になっています.観客あるいは観客のグループは,自分たちの存在が風景に対して何らかの影響を与えることに気づき,風景中の人物に呼びかけようとするかもしれません.「Hello...(こんにちは)」とか「Excuse
me...(ちょっとすみません)」とか大声で言うことは,風景中の人物の注意をひくことになるでしょう.インターアクションがうまくいけば,観客は,風景中の人物に連れられて風景のある方向に引きこまれることになります.この時点で部屋全体は,風景中の人物の案内にしたがって,ある一定の方向に動いていくようにみえます.風景中の人物とひとりの観客あるいは観客のグループの会話が進むことによって,空間の展開が決定されていきます.
|
|