インターフェイスの設計は,機械を対象としたマンマシンインターフェイス(MMI)の時代から,コンピュータを対象としたコンピュータヒューマンインターフェイス(CHI/HCI)へと移り変わってきました.そうして機械やコンピュータは人々にとっての価値を明確なものとし,文化をつくってきました.そして今,その設計対象となっているのはインターネットです.
今日多くの人にとってのインターネットの体験はウェブブラウザかもしれません.しかしそれは徐々に変わろうとしています.インターネットはいよいよパソコンという画面とキーボードから構成されるデバイスにかぎらず,ワイヤレスにあらゆるモノへ接続が始まりました.アクセスという意識なしにウェブやインターネットの知識を背後に使いながら,私たちはインタラクションすることになるのです.そしてインターネットは透明化していきます.道具から家具から,乗り物,建物,すべてのものごとの概念が大きく変わっていくことになります.この身の回りすべてに広がるインターネットの可能性,その関わり方に関する想像力が,今,私たちに問われています.
本トーク・イヴェントでは,ウェブと実世界をつなぐCHIRIMENボードの開発を行っているCHIRIMEN Open Hardwareコミュニティより,Mozillaの赤塚大典氏と株式会社KDDI総合研究所の関口直紀氏をお招きし,ハードウェアに展開するインターネット,ウェブをテーマにIoT時代のウェブの未来を,デモンストレーションなどを交えつつ議論していきます.
出演:
渡邊恵太(明治大学総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 准教授)
赤塚大典(Mozilla)
関口直紀(株式会社KDDI総合研究所)