出演:岩崎秀雄(metaPhorest主宰,早稲田大学教授),オロン・カッツ(SymbioticA),イオナット・ズール(SymbioticA),ローレンス・イングリッシュ(Room40),三原聡一郎,福原志保+ゲオアグ・トレメル(BCL),齋藤帆奈,吉岡裕記(LAMBDA)
司会:畠中実(ICC)
オープン・サロン「オープン・スペース 2013」出品作家によるイヴェント
アーティスト・トーク「SymbioticA × metaPhorest:生命をオープン・スペースで考える2」 metaPhorest(早稲田大学生命美学プラットフォーム)
2014年2月22日(土)午後2時より
概要
参加アーティスト
岩崎秀雄
生命科学研究者・造形作家.光合成をするバクテリアを用いて「生命が自発的にリズムやカタチを作りあげるメカニズム」の研究をしながら,抽象的な切り絵を用いた立体表現や,生物・細胞などを用いたアート(バイオメディア・アート)を手掛けている.科学的な生命観と,それを含む文化的・日常的生命観,芸術における生命像など,多様な「生命」の表象・記述様式,特に生命を言及/ 体感/ 創造することと,芸術について言及/ 体感/ 創造することの本質的な共振性に興味を持っている.
1971年生まれ.早稲田大学理工学術院教授,metaPhorest 世話人,Synthetic Aesthetics メンバー,「細胞を創る」研究会発起人(社会文化ユニット世話人).
オロン・カッツ
オーストラリア在住のアーティスト・研究者.1996年に組織培養工学をベースとするアート・プロジェクトTissue Culture & Art Projectを開始,2000年からは西オーストラリア大学に生物学に関する芸術の制作・研究機関SymbioticAを創設し,バイオアート・シーンを世界的に牽引してきた.アルス・エレクトロニカ(ハイブリッド部門)グランプリほか受賞多数.metaPhorest(岩崎)とは『医学と芸術展』(森美術館),Synthetic Aestheticsプロジェクトなどでたびたびコラボレーションしている.
イオナット・ズール
オーストラリア在住のアーティスト・研究者.オロン・カッツと共に1996年から組織培養工学をベースとするアート・プロジェクトTissue Culture & Art Projectを開始し,SymbioticAの中心人物の一人である.西オーストラリア大学でバイオロジカル・アート研究に対して博士号を取得,現在同大学准教授.バイオアート・シーンの先駆者として世界的に作品を発表している.専門はバイオ・イメージングや映像制作だが,それに収まらない幅広いプロジェクトに関与し続けている.
ローレンス・イングリッシュ
オーストラリアで活躍する作曲家,サウンド・アーティスト,キュレーター.環境,知覚,記憶などを主なテーマとし,様々な音響表現を探求するとともに,レーベルRoom40を立ち上げ,多くのアーティストを世に送り出してきた.
三原聡一郎
1980年生まれ.
音響のテクノロジーを基軸に,知覚,環境,身体の模索の有機的な統合を模索するための,芸術作品としてシステムの提示を行なう.音楽家の大友良英,美術家の毛利悠子,電子楽器製作者の斉田一樹らと作品を共同制作するなど,国内外でメディア・アートの分野にとどまらず,他分野とのコラボレーションにも取り組んでいる.
普段はメディア・アート・センターに所属し,アーティストの技術的サポートを行ないながら,テクタイルというテーマを基に触覚研究者と触感表現の為のプロトタイピング・ツールを共同開発中.
BCL
BCL は,サイエンス,アート,デザインの領域を超えたコラボレーションを行うアーティスティック・リサーチ・フレームワーク. 特に,バイオテクノロジーの発展が与える社会へのインパクトや,水環境問題について焦点を当てている.また,それらにクリティカルに介し,閉ざされたテクノロジーを人々に開いていくことをミッションとしている.
福原志保
ロンドンのセントラル・セント・マーチンズにてファインアートと,ロイヤル・カレッジ・オブ・アートにてインタラクションデザインを学んだ後,アーティスト・イン・レジデンスとして,パリのパレ・ド・トーキョー,岐阜県のIAMASにて滞在し制作活動を行う.福原は,主にバイオとナノテクノロジーの発展による社会へのインパクトと,今後の変化への認識という,21世紀に最も注目されている分野を探索し,科学の専門的な枠に捕われない方策で参加し,最終的にはそれを明確に捉えるという目的をもっている.
ゲオアグ・トレメル
齋藤帆奈
テクノロジーとアート,科学的な生命観と宗教的な死生観など,現代社会において分裂した関係性が主なテーマである.科学,哲学,歴史など領域横断的な視点で作品を制作することによって分裂をなめらかにする双方向的なヴィジョンの提案をすることを目的として表現活動を行う.酸素バーナーワーク(ホウケイ酸ガラス),キネティックアート,バイオメディアアートなどの手法を使っている.
多摩美術大学工芸科ガラスコース卒業.
吉岡裕記
2011年に"LAMBDA"プロジェクトを開始し,情報伝達とバイオテクノロジーの関わりをテーマに様々なジャンルのアーティスト/研究者とのコラボレーションを行なっている.「生命美学オープンラボ」#02で展示された,石橋友也との共作《Revital HgS》では「非生物に生命性を見出す」ことをテーマに制作が行なわれた.多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース卒業.