NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] では,2010年に山口情報芸術センター [YCAM] にて委嘱制作し公開された,三上晴子による大規模なインタラクティヴ・インスタレーション《欲望のコード》の新ヴァージョンを発表します.
巨大な壁面には,センサーと小型カメラを搭載した90個のデヴァイスが設置され,天井からは,カメラとプロジェクターが搭載された6基のロボット・アームが吊られています.各装置は,昆虫がうごめくように観客の位置や動きを察知し,それに向かって動き出し,観客を監視します.会場の奥には,昆虫の複眼のような巨大円形スクリーンが位置し,それぞれのカメラの映像データは,世界各地の公共空間にある監視カメラの映像とともに独自のデータベースを構築し,過去と現在や会場と世界各地の映像が,複雑に交錯しながらスクリーンに投影されます.
三上晴子は,「情報環境と身体」をテーマに,コミュニケーション・テクノロジーとその情報生態系が生み出す相互作用の中で自身の芸術表現を行なってきたアーティストです.この作品では「現在の情報化された環境と知覚に生きるわたしたちの新たな欲望とはなにか」を問題意識として,映像,音響,データなど,さまざまなネットワーク環境からの情報を,自律的なシステムを持つコードによって再構成することで制作されています.鑑賞者に反応するように動き出す,生きたような空間/装置の中で,現在の情報技術とインタラクションの生み出す,時間/空間の変容を体験することができる作品です.《欲望のコード》は本展覧会終了後,世界各地に巡回する予定です.