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LIFE - fluid, invisible, inaudible ...

2007年9月15日(土)―11月4日(日)

LIFE - fluid, invisible, inaudible ...

概要

坂本龍一と高谷史郎とのコラボレーションにより,新たに生み出された《LIFE - fluid, invisible, inaudible ...》.音と映像のたえまない出会いが生起するこのインスタレーションは,「流動するもの,見えないもの,聴こえないもの」を 全身で感受していくかつてない場となるでしょう.

《LIFE - fluid, invisible, inaudible ...》は,世界的に高い評価を受ける音楽家の坂本龍一と,京都を拠点に国内外で活躍するアーティスト・グループ「ダムタイプ」の中心メンバー高谷史郎のコラボレーションによって生み出された,音と映像のかつてない出会いを創出する新作インスタレーションです.

この作品は,1999年に初演された坂本龍一のオペラ《LIFE》(高谷史郎が映像監督として参加)を起点としながら,「fluid, invisible, inaudible(流動するもの,見えないもの,聴こえないもの)」――というタイトルに見られるように,21世紀を迎えてしばらく経った2007年において,《LIFE》を,その音や映像をリソースとしつつ,まったく異なる作品として解体,進化させたものです.20世紀末において,オペラというリニアで近代的な方法に対して行われた実験が《LIFE》であるとするなら,インスタレーションという形態をとる《LIFE - fluid, invisible, inaudible ...》は,ノンリニアで脱中心的な音響と映像の流動を,観客が自らその内部において体験していくものといえるでしょう.

暗い空間には,薄く水が張られた1.2m四方,30cmの高さのアクリル水槽が3×3個グリッド状に吊られ,それぞれの両端にスピーカーが設置されています.水槽の内部では超音波によって人工的な霧が発生し,透過と不透過をつなぐかのように流動的なパターンがたえず生みだされていきます.それぞれの水槽の上に設置されたプロジェクターから発される映像――水槽全体で時に連動し,時に個別の映像として出力――は,水と霧の織りなす動的なパターンをスクリーンとして通過することで,映像を結びつつも,たえず流れによって融解され,意味と無意味,具象と抽象との狭間をたゆたい続けます.

《LIFE - fluid, invisible, inaudible ...》において音と映像は,新たに加えられたものも含め,それぞれ約30と20のカテゴリーに分けられ,複数のファイルとしてコンピュータのHD内に収められています.全体をランダムに制御するプログラミングによって,これらファイルからランダムに音と映像が呼び出されることで,常に異なる様相が空間にもたらされます.

「時間の呪縛から離れたいと思った」(坂本龍一)
「映像を完璧にはコントロールできないものに映し出したかった」(高谷史郎)

二人の言葉は,通常リニアで確定的なものとして設定されがちな時間や空間を逃れて,霧という流動的な現象やコンピュータのランダムネスを,アートの新たな可能性として投げかけるものといえます.観客においても,それは例外ではありません.人々は,空間内を自由に歩き,水槽の下にたたずむことで,可視と不可視,聴き取れるものと聴き取れないものの間に潜む生きた変容の場に,自らの知覚や身体を通して立ち会うことになるでしょう.

*《LIFE - fluid, invisible, inaudible ...》は,山口情報芸術センター(YCAM)委嘱作品として制作され,2007年3月10日から5月28日まで同センターにて発表され,大きな反響を呼びました.
http://rsst.ycam.jp/


制作メンバー(YCAM)

坂本龍一+高谷史郎
LIFE - fluid, invisible, inaudible ...

サウンド・プログラミング: 矢坂健司[有限会社シネティクス]
ヴィジュアル・プログラミング: 真鍋大度
システム・プログラミング: 古舘健
サウンドシステム・アドヴァイス: 佐藤博康[株式会社バラッド]
マテリアル・エディティング: 泊博雅
機材コーディネート(坂本龍一): 土屋真信,毛利泰士[株式会社オフィス・インテンツィオ]
テクニカル・アシスタント(高谷史郎): 尾崎聡

アドヴァイザー: 浅田彰

[山口情報芸術センター]
テクニカル・ディレクター: 伊藤隆之
ヴィジュアル技術: 大脇理智,三原聡一郎
キュレーター: 阿部一直

[NYクルー]
レコーディング・エンジニア(NY):フェルナンド・アポンテ
プロダクション・マネージメント(NY):エヴァン・バルマー(Kab America Inc.)
リーガル・スーパーヴァイザー:スーザン・バトラー Esq.

[制作委員会]
坂本龍一/高谷史郎/空里香/高谷桜子/阿部一直



会期:2007年9月15日(土)―11月4日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] ギャラリーA
開館時間:午前10時―午後6時,金曜日は午後8時まで開館(入館は閉館の30分前まで)

特別協力:山口情報芸術センター(YCAM)
協力: commmonsKab America Inc.Kab Inc.dumb type office,株式会社バラッド,有限会社シネティクス株式会社ワーナーミュージック・ジャパン山九株式会社,株式会社東京スタデオ,株式会社印刷設計,アクシスコミュニケーションズ株式会社株式会社モトックス,キリンビール株式会社,ヤマハ株式会社株式会社イーフロンティア多摩美術大学情報デザイン学科

展示作品

参加アーティスト

坂本龍一 + 高谷史郎

1999年,20世紀の音楽・社会を眺望する試みとなった坂本龍一によるオペラ《LIFE》(東京,大阪で公演)において,高谷史郎が映像を担当.2005年6月に開催された実験ライヴ「庭園シリーズ Vol.1 《Live@法然院》」(京都)では,限られた聴衆と密やかで濃密な時間を共有するというコンセプトから,方丈の庭を臨み,ラップトップと映像によるライヴを開催.同年6月スーザン・ソンタグ追悼ライヴ(京都造形芸術大学)で,再び競演.A.ペルトの《Spiegel im Spiegel》に様々な音を重ねながら,ソンタグのポートレイトやテキストの句読点の引用を配した映像に,サウンドのコラージュをおこなう.07年3月10日―5月28日,山口情報芸術センター(YCAM)においてYCAM委嘱による新作インスタレーション《LIFE - fluid, invisible, inaudible ...》を発表.7月5日には「庭園シリーズ vol. 2」として,ラップトップを使ったサウンドxインスタレーションによる《Live@大徳寺・養徳院》を開催.


坂本龍一

Photo by Neo Sora ©2022 Kab Inc.

NY在住.音楽家.1978年細野晴臣,高橋幸宏と「YMO」を結成.散開後も,音楽・映画・出版・広告などメディアを越えた活動を展開.87年映画「ラストエンペラー」の音楽で,アカデミー賞,グラミー賞ほか受賞.99年オペラ《LIFE》で大きな成功を収め,以降,環境・平和問題に大きな関心を寄せ,発言多数.9.11同時多発テロをきっかけに,論考集『非戦』を監修.自然エネルギー利用促進を提唱するアーティストの団体「artists' power」を創始.2006年新たな音楽コミュニティの創出を目指し「commmons」を設立.10月17日にはクリストファー・ウィリッツ + 坂本龍一による新作「Ocean Fire」を,11月には映画「SILK」サウンドトラックをcommmonsよりリリース予定.また11月にドイツ,マンハイム市の委嘱による新作をカールステン・ニコライとのコラボレーションによりプレミア上演の予定.


高谷史郎

京都在住.映像クリエイター.1984年京都市立芸術大学生を中心に結成されたアートグループ「ダムタイプ」の創設から参加,ヴィジュアル面を総合的に担当し,現在はディレクションに関わる.2002年京都市芸術新人賞受賞.主なソロ活動として,98年インスタレーション《frost frames》,00年《optical flat》(国立国際美術館蔵)などを発表.99年坂本龍一のオペラ《LIFE》に映像監督として参加.01年霧の彫刻家中谷芙二子とのコラボレーション作品《IRIS》(スペイン),05年グループ展「雪と氷との対話」(ラトヴィア)など.07年6月に個展「photo-gene」を開催(児玉画廊,東京).

関連情報

チケット割引情報

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東京オペラシティアートギャラリーとの相互割引
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