ドイツのフランクフルト・バレエ団芸術監督であるウィリアム・フォーサイス氏を招いてのワークショップを開催.第一部ではフォーサイス氏のソロ・ダンスのビデオが上映され,その後,フォーサイス氏自身とダンサー,ダナ・カスパーセン氏が,独特な動きがいかに身体から生まれるか,新しいダンスをどのように生成していくかを,具体的に実演してみせた.第二部では,フォーサイス,カスパーセン両氏を囲み,磯崎新氏(建築家),多田富雄氏(免疫学),浅田彰氏(社会思想史)が加わってのパネル・ディスカッションが行なわれた.それぞれの立場から身体,運動,空間の捉え方について意見が交わされるなかで,フォーサイス氏の芸術の背後にある思想が浮き彫りになっていった.
『ICCコンセプト・ブック』(NTT出版,1997)より引用