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《東京仕草》 [2021] “Tokyo Behavior”

津田道子

《東京仕草》

作品解説

《東京仕草》は,映画『東京物語』(小津安二郎監督,1953)に代表される小津映画に登場する女性の仕草に着目し制作された映像インスタレーション作品です.映画中の女性の動作を抽出して,撮影セットを概念化した空間やイラストレーション,動きの軌跡,映像などによって構成しています.生活空間における人の振る舞いには,その人の文化的背景だけでなく,その場の環境やそれを現前させている技術の歴史の蓄積すべてが反映していると捉えることができます.『東京物語』が発表されたのは,江戸時代末期から昭和の高度経済成長に至る,テクノロジーの発展とともに生活様式が劇的に変化していった期間のちょうど半ばにあたります.その時期の,家事の主な担い手であり続けてきた女性の所作に着目することで,過去から現在,そして未来へと向かう文脈を鑑賞者に想像させます.

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