2018年に香港で制作,発表された作品《裁縫鳥の真珠》を,本展会場の建物やその周囲の生態系に合わせて再構築したインスタレーション.《裁縫鳥の真珠》は,映像と,香港で出会ったさまざまな野鳥の鳴き声をまねる葉山の声で構成されています.ジャパン・クリエイティブ・センター(JCC)での展示では,葉山による鳴き声はすべて建物の外で再生され,人間以外の存在と人間による,テクノロジーを用いた演劇的な会話が試みられます.映像は,葉山が香港をさまよいながら撮影した素材で構成された,映画的叙情詩となっています.また,ICCでの展示には,JCCの庭で録音された夜明けの音が追加され,展示室内外を自由に行き来して鑑賞することができます.《裁縫鳥の真珠》は音とイメージが織りなすリズムを探求しながら,人間と非人間の言語を翻訳する新たな方法を思い描くという美的経験をもたらします.
《裁縫鳥の真珠》 [2018]
葉山嶺
《裁縫鳥の真珠》