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《The Masters》 [2021] “The Masters”

エレナ・ノックス

《The Masters》

作品解説

スマートホームに接続された「キャラクター召喚装置」でホログラムとして表示されるAIキャラクターが,部屋の主(ノックス)が帰るのを待っています.鑑賞者はこの部屋でくつろぎながら,キャラクターに話しかけたり,ノックスとキャラクターが交わすチャットを見て憶測をめぐらせることができます.注意深く見れば,超現代的なスキャンダルがしだいに明らかになるのを目にするかもしれません.

《The Masters》は,ノックスが近年展開する「Actroid Series II」の一部です.このシリーズでノックスは,擬人化されたテクノロジーと暮らすことから生じる様々なシチュエーションや権力関係を検討しています.人に寄り添う,または単純なサービスを提供するために作られたヒューマノイドやAIキャラクターは女性的表象をまとう傾向があります.ノックスは,私たちが他者に制約や制限を課す際の軋轢を和らげるためにこのようなイメージを社会システムに与えている可能性に着目しています.

作品タイトルは,AIキャラクターが装置の持ち主を「マスターさん」と呼ぶことに由来しますが,複数形なのはなぜでしょうか.AIキャラクターとの対等なコミュニケーションが実現しているならば,キャラクターもまた「マスター(主人)」になりうるからでしょうか.デジタルな存在は無限に複製可能だからでしょうか.それとも,第三者が「マスター」として介入するのでしょうか.理論的には,人間でもキャラクターでもない別のなにかがその第三者になるかもしれません.


協力:Lofaro研究室

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