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《Slack Tide #1》 [2024] “Slack Tide #1”

古澤龍

作品解説

大型有機ELディスプレイ3台に映し出される横長の海景の映像が,ゆっくり,刻々と変化していきます.それはあまりにゆっくりであるため,変化には気付きにくく,しかし,時間をおいて作品にふたたび意識を向けると,その映像は大きく以前と異なる様相を呈しているでしょう.それは,潮の満ち引きにも似て,作品の時間経過と映像の空間的な変容の間で,その関係性を考えさせるような作用があります.

ディスプレイに表示されている波の映像は,長時間,定位置で撮影された実景です.古澤は,時間軸を持った映像データとしての動画の表示方法をさまざまに操作することによって,新しい時空間の記述法を探っています.

その方法として動画を連続する静止画の連なりとして考え,一枚一枚が奥行き方向に層として重なっていくような,三次元的な立体として表現します.

時間はこの立体空間を奥行き方向に流れていきます.動画の再生とは,この立体空間を前から後ろへと断面の連続として動かしていくプロセスだと言えるでしょう.

それに対して本作では,そうした単線的な奥行き方向への断面の連続だけではなく,いくつもの切断面を同時に見せるように意図的に逸脱させます.それは私たちが普段体験する時間とは異なり,それによって空間的な変容をもたらすような変化軸を持った動画だと言えます.


支援:令和5年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業

TOTAL TIME: 20:50

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