8人のパフォーマーによる「アナグラム・マシーン」と,それを操作する1人の「オペレーター」によって上演されるパフォーマンス作品である.アナグラム・マシーンは,アナグラムを行なうことが人生で唯一の喜びである.彼らは日本語の音節とカードを与えられ,カードに書かれた番号でソーティングを行うことによりアナグラムを行なう.オペレーターは,アナグラム・マシーンの文字の一部を変更し,アナグラムを実行をさせる.
オペレーターは,アナグラム・マシーンを操作することで,自らの思想を鑑賞者に伝える.しかし,アナグラム・マシーンはアナグラムによって作られる文字列(言葉)の意味に疑問を抱いていない.また,両者の関係は,電子音楽における電子楽器と演奏者の関係も比喩している.何らかの情報を入力すると,計算結果によって音を出力するアナグラム・マシーンは電子楽器であり,それを操作するオペレーターは演奏者である.