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《池田町物見図録》 [2015] “Ikeda-cho sightseeing pictorial record”

大山千尋

《池田町物見図録》

作品解説

この「池田町物見図録」は,岐阜県大垣市に隣接する池田町をモチーフとして作られた.池田という町には,古墳群や茶畑といった大きな集合がいくつもあり,一年弱のフィールドワーク(採集)では,幾度どなくそれらを目にする機会があった.

フィールドワーク中は無作為に写真を撮りためた.その何百の写真の中から,主にお茶工場の機械や,発掘現場で使う土の色見本など,日常では見慣れていないモチーフを扱った.そして池田町という既存の町の文化が改変されたという仮定で架空の使用方法を構想していった.写真を撮るなどの「採集」を経て,その中の10個の道具にまつわる「スケッチ」と「話」が2つ1組で成り立っている.例えば「話」では,山間部では電波が捉えにくいために,鹿の角をアンテナにした帽子を被る/海が見えないために,潮の満ち引きを観察するための秤がある,というようなものなど.またフィクションを与えられて改変された状態,ということを伝えるための「複製」としてモックアップを展示した.

本の仕様

本紙ホワイトには「スケッチ」が印刷され,「話」はハトロン紙に印字されている.見慣れないモノのぼやけた形態や意識が,前ページの物語を読み,ページをめくることで認識がはっきりとしてくる,という演出のために,ハトロン紙一枚一枚に蝋引きをし,半透明感を出している.ページ同士が重なっているときと,めくったときとで,印象が変わるようにした.

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