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《Generative MV》 [2023] “Generative MV”

真鍋大度+ライゾマティクス+カイル・マクドナルド

《Generative MV》

作品解説

この作品は,AI技術を活用して,観客の入力したテキストに応じてリアルタイムに背景が変化するミュージック・ヴィデオです.2020年のオンライン・コンサート『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 12122020』で演奏された楽曲「Perspective」のグリーンバック映像をベースにして制作されています.この作品の特徴は,観客が入力するテキストにもとづき,AIが動的に背景のエフェクトを生成する点にあります.

この技術は2022年に大きな注目を集めましたが,当初,画像にエフェクトを加えるのに数十秒を要していました.しかし,アルゴリズムの改良やその他の技術的な工夫により,1年足らずで数十ミリ秒で処理することが可能となりリアルタイムで活用出来るようになりました.その結果,観客のプロンプト(指示)にもとづいて事前に作成されたCG映像にリアルタイムでエフェクトを適用することが実現しました.

展覧会の期間中,この技術はさらに進化を遂げることでしょう.特に質感や処理方法の面では,今後も顕著な進歩が期待されます.この作品は,観客の参加によって形成されるインタラクティヴなアートの一例であり,現代美術におけるAI技術の可能性を示しています.2023年12月の時点で,この作品はその時代の技術的進歩を反映する貴重な例証となるでしょう.

坂本は,常にその時代のテクノロジーと自身の表現の関わりを深め,問題を提起することに熱心でした.坂本と真鍋との会話では,自身の演奏のアーカイヴだけでなく,そのデータを利用したAIの開発への関心が浮かび上がります.この作品では,坂本の想像力が常に新しい境地を求めていたことに敬意を表し,最先端のAI技術を駆使して制作されています.まだ過渡期にあるリアルタイムAIエフェクトの未熟さをも含みつつ,この時点でしか表現できない独特の映像表現を展開しています.


ディレクション:真鍋大度
ヴィジュアリゼーション:堀井哲史(ライゾマティクス)
AIソフトウェア・ディヴェロップメント:カイル・マクドナルド
ソフトウェア・ディヴェロップメント:永松歩
ヴィジュアル・プログラミング:石井達哉(ライゾマティクス)
インターフェイス・デザイン:小島一郎(ライゾマティクス)
プロダクション・サポート・エンジニアリング:Keke(Studio Daito Manabe)
ヴィデオ・エディット:清水憲一郎(Pele)
プロダクション・マネジメント:宿院卓馬(ライゾマティクス),渡部里奈(Studio Daito Manabe)
サウンド・パートナー:KEF

Perspective

Courtesy of KAB Inc. / Avex Entertainment Inc.
©1993 Yano Music Publishing Co., Ltd. / KAB America Inc. (ASCAP), Administered by Kobalt Songs Music Publishing

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