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《多義の森》 [2008] “Ambiguous Green”

木本圭子

《多義の森》

作品解説

暗い空間の,床には,微細なピクセルで描かれた静止画が設置されています.一角には小さなアクリルのオブジェがあり,二つのモニターからは映像が流れています.らせんや渦巻きなど,自然の動きを想起させる美しく精緻な映像は,シンプルな数式によって生み出されたものです.奥の部屋では,息づくかのようにゆっくりと変化を続ける,リアルタイムのプロセス映像を見ることができます.

《多義の森》は,木本圭子が継続して展開してきた《イマジナリー・ナンバーズ》と,今回初めて発表される,リアルタイム演算による映像で構成されています.《イマジナリー・ナンバーズ》は,非線形力学系のひとつの数式をコンピュータに委ねて生み出された形態を,オブジェやパネルなどによる解説や,静止画および動画という複数の方法で展示しています.奥の部屋の映像は,ひとつの数式からなる同じ振動モデルを多数結合させたシステムで,生命体のようにたえず変化していくその形態は,個々の振動からは予測できない,全体で初めて発現する複雑な様相を呈しています.数式によって状態変化のモデルを作り,その多様な形態やリズムの中に,自然に潜む雄弁な多様性を見いだしていくこと.それがここでのアーティストの役割と言えるでしょう.


協力:合原複雑数理モデルプロジェクト,日本ユニバーサル電気株式会社

アーティスト

展示情報

作品一覧