ICC
展示作品02:「Spring of Life」

Perfumeのメジャー15枚目のシングル「Spring of Life」.彼女たちの存在における「アンドロイド的」イメージを反映させたパッケージやミュージック・ヴィデオ(MV)が制作され,そこで彼女たちはヒューマノイドを演じている.MVのシチュエーションに設定された近未来の世界観に合わせてデザインされた衣装は,ヒューマノイドに扮する彼女たちの背中から伸びる何本ものケーブルと主電源が供給されるコードによって印象づけられている.
田中敦子による《電気服》(1956)からフセイン・チャラヤンによるLEDドレス《エアボーン》(2007)にいたるまで,「照明装置による衣服」「衣服としての照明」というアイデアは,先端的な表現においてさまざまに展開されてきたものでもある.その中でライゾマティクスが作り上げたのは,「装置」というだけではなく,実際に着て踊れる,プログラムによってコントロールすることができる「衣装」であった.

Dress Ver.1Dress Ver.2Dress Ver.3Accessoriesミュージック・ヴィデオ

《Perfume「Spring of Life」ミュージック・ヴィデオ》

ヒューマノイドが製造されている研究所.ロボット・アームによって作られているヒューマノイドたちはプログラム通りにしか行動することができない.ところがエスパーカードのテスト中にハートのマークを引き当てたのをきっかけに,彼女たちに意思と感情が宿る.プログラムはコードを伝って逆流し,「LOVE」がコンピュータを侵食.コンピュータをハッキングしていく.再起動が完了した彼女たちは,念願の自由を手に入れる.電話でデートの約束を取り付け,オシャレをして,ロボット・アームにネイルを塗らせ,デートの準備が完了した彼女たちは,外に出るために邪魔なコードを抜く…….
MVに登場するコンピュータの画面には,「Perfume "Global Site Project"」においてユーザーがハッシュタグ「#prfm_global_site」を付けて投稿したツイートが投影されたPerfumeの映像が流れている.

制作年月:2012年3月

Direction:田中裕介
Visual produce/Choreography:MIKIKO(elevenplay)
Music:中田ヤスタカ(CAPSULE)
Produce:加島貴彦
Cinematography:Shoda Masahiro
Light:上野甲子朗
Art direction:酒井俊英
Styling:三田真一
Make up:大須賀昌子
Hair:島尻優樹

Interaction design/LED lighting design/Programming:真鍋大度(Rhizomatiks)
System design/Firmware:石橋素(Rhizomatiks)
Hardware design/Circuit design/Development:柳澤知明(Rhizomatiks)
CG design:笹井孝悦,山本和宏
Post production: IMAGICA
Production management:佐藤亜美
Production:P.I.C.S.